■『夫に間違いありません』は「愛の物語」
考察のように一樹(安田)がいなくなれば、すべて丸く収まるのは間違いない。しかし、桜井(葛原)が第11話の放送前に行われた取材会で、本作は「愛の物語」で、「“人との関わりっていいな”ときっと思っていただける結末になっている」とコメントしているため、誰かが死ぬ悲劇的なラストは考えにくい。
一樹が川に落ちるという声が多いが、もしそうであっても偽装だろう。聖子(松下)は警察に死んだと思っていた一樹が再び現れ、家族のために自ら飛び込んだと通報。警察が川を捜索している間に一樹をどこかに逃がす。聖子は一樹の子どもをお腹に宿しているが、その状態で誰かの命を奪うというのは考えにくい。また、劇中で「冬の川に飛び込むと2、3か月は浮いてこない」という会話があったが、この流れの伏線なのでは?
一方、紗春の娘・希美(磯村アメリ/9)への虐待疑惑は、夫・幸雄が応援するバスケットチームが負けると葛原家が1日地獄だったことなどから、紗春ではなく幸雄の仕業だろう。過去の遺体が幸雄であることがわかり、紗春は保険金を手に入れることになりそうだが、それは、すべてを知る天童(宮沢氷魚)が、どう動くかにかかっている。
これについては、何度も聖子が警察に行こうとするシーンがあるから勘違いしそうだが、幸雄の遺体の誤認や、一樹が殺してしまったキキャバクラ嬢・瑠美子(白宮みずほ/21)について、警察は動いていない。スクープ記事にするため、天童がひとりで騒いでいるだけなので、天童が黙ればすべてうまくいくのだ。
第9話以降、紗春の娘・希美への虐待に、やたら天童がこだわっているように描写されている。しかし、上記の指摘の通り、紗春ではなく夫・幸雄が虐待していたとわかれば、紗春と希美が児童相談所によって引き離されることを避けるため、うるさかった天童も口をつぐむのではないだろうか。
そうなると、かなり荒唐無稽なラストになってしまいそうだが、ここまで“なんでもあり”な展開を見せてきた本作なら、ないとは言えないだろう。はたして、どんなラストになるのか? 桜井が取材会で語った通り、「愛の物語」だと思えるのか、最終回を見守りたい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。