■真の黒幕説が浮上しているのは――

 合六(北村)が極悪人であることは間違いないだろうが、ただ、彼がこのまま“ラスボス”になるというのは、ドラマとしてあまりにもストレートすぎるのではないかと見る向きも。そうなると、公式からも“最後の大物”と評されている市川團十郎演じる政治家・真北弥一がラスボスとして君臨する可能性はあるだろう。

 劇中で真北弥一の名前が最初に登場したのは第3話(2月1日)。合六が政権交代かと騒ぎになる議員会館の一室を訪ねる場面があり、そこで「真北弥一」と書かれた表札が映っていた。すでに劇中には、後に早瀬(鈴木)の協力者となる警務部監察官・真北正親(伊藤英明/50)が登場していたため、同じ名字の彼との関係を疑う視聴者は多かった。同回で正親は早瀬に「クジラ」と呼ばれる大物政治家を追っていることは伝えたが、それが兄・弥一だという事実は伏せていた。

 その後、第7話(3月8日)で早瀬は正親が“弥一”と名乗る男性と2人で合六に合っている姿を目撃。後日問いただすと、正親は弥一が兄だと認め、「僕が狙っているクジラとは真北弥一です」「見逃せば合六の汚れたカネに国が乗っ取られる。正義のために兄の不正を見逃すわけにはいかない」と強弁した。

 弥一役が團十郎であることは伏せられていたが、第8話放送直前に情報解禁されて、第9話・第10話(最終回/3月29日)に出演すると発表された。予告では、合六と握手したり、弥一が「この国をリブートしましょう」と意味深に語る場面などが紹介されている。

 演者が團十郎ということもあり、ラスボスとしての風格は凄まじい。しかし、彼がこのままラスボスになるというのも少し違うのではないだろうか。メタ的な考察となるが、序盤から存在が示唆されていたとはいえ、最終章にいきなり出てきた俳優がラスボスというのは、ドラマ的な盛り上がりに欠けてしまう感じがする。

 つまり、合六がラスボスでは“そのまま過ぎ”、弥一がラスボスでは“振りがきいていない”。両者でないとすると、ラスボスに相応しいのは――伊藤演じる、弥一の弟で監察官の真北正親しかいないのではないだろうか。

《ホントの黒幕は伊藤英明な気がしている》
《六組織の警察内にいる手下が真北なのでは⋯?って思ってきた。黒幕真北さんだったらいいな》
《8話で合六の非情さを描いておいて、9話ラストで真の黒幕が現れる可能性もまだあるかな。オーソドックスに合六=黒幕がいい派だけど、真北兄弟の動向は気になるところ》

 といった、正親単独、あるいは兄弟ぐるみでの黒幕説を唱える視聴者は多い。

 確かに、正親には疑わしい点がある。彼は妻が起こしたひき逃げ事故のせいで左遷されたが、夏海(山口/整形後は戸田)は母親を事故で亡くしている。交通事故かは明言されていないが、これが重要な伏線というのはあり得る話。前述の、死んだ本物の一香の遺留品や歯の治療痕などを偽装した“警察内のスパイ”が正親の可能性もゼロではない。

 これまでも「日曜劇場」のドラマでは、“日本を狙うテロリストということになっていたが実際には個人的な復讐だった”“主人公に恨みを抱いているように描かれていたキャラが実は最初から味方だった”など、最終回付近での大どんでん返しが何度となく描かれてきた。

 兄であろうと不正を許さない正義の監察官。そんな“善人”が裏でとんでもない悪事を働いている“真の黒幕”というのは、クライマックスの展開としてありそうだ。

『リブート』はヒットメーカー・黒岩勉氏が構想に3年を費やした大作。視聴者を唸らせるクライマックスが用意されているはずだ。

特撮・ドラマ・映画ライター・トシ
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受け、平成ライダー、そして現在放送中の令和ライダーを筆頭に、特撮作品を愛するように。
特撮出身の俳優を追う過程で一般ドラマや映画の世界にも興味を抱くようになり、旬なドラマ・映画は欠かさずチェック。エキストラとして作品に参加し、阿部サダヲ藤原竜也など一流の俳優陣の生の芝居に衝撃を受けることもしばしば。