■初めてのオーダーメイドブラは20万円

 特に切実だったのが、下着の選択肢の少なさだという。中学3年生でHカップだったという田野さんは、体も華奢なぶん、自身の胸のサイズにあうブラジャーに出合ったとしても、実際には体に下着がフィットしないというケースも多くあったという。現在の胸のサイズとほぼ変わらないKカップとなった高校2年生のときには、初めてオーダーメイドでブラジャーを作ったという。

「とにかく可愛いものが欲しかったんです。男性と交際をするタイミングでもあったので、親に相談して作りました」

 田野さんが初めてオーダーメイドの下着を原宿で作った際に支払った金額は20万円――。この後も下着価格の高さは、田野さんを悩ませ続けることになる。

「一般的なサイズの方なら、2000円とか2500円で上下セットの下着はそろえられます。仮に日本人としては大きなサイズである、EとかFクラスになっても日常使いする下着はせいぜい5000円ぐらい。良いものでも2万円ぐらいかなと思います。それが、私の場合だと、サイズが大きいから日常使いするような商品でもオーダーメイドでしか頼めないので最低7万円はかかってしまうんです」

 体に直接触れるブラジャーは当然、消耗品でもある。一度買って終わりではなく、定期的に買い替える必要がある。

「半年から長くて1年ぐらいで買い替えます。当時はファミレスでバイトしていて、アルバイト代が月7万円ぐらい。その中でブラを買うのは本当に大変でした。ブラジャー2枚で過ごしていた時期もありましたね」