阪神タイガースのレジェンド、“ナニワの春団治”こと川藤幸三が猛虎愛を語り尽くす熱血コラム。OB目線の激励から時には喝も……熱き魂が炸裂する!

 昨年、亡くなられた長嶋茂雄さんの名言に、こんなのがある。

「野球というスポーツは人生そのものだ」

 ホンマに、その通りだと思うな。ワシなんて、人生から野球を取ったら何も残らへん。講演会に行ったときなんか、ファンの方から必ず出る質問がある。

「川藤さんは、もし野球をしてなかったら、何をしていたと思いますか」

「その筋の世界で生きてたんとちゃいますか。プロ野球のドラフトでは9位指名やったけど、〇〇組のドラフトがあったら、1位指名されたかもしれん(笑)」

 半分冗談やけど、小さい頃からヤンチャ坊主のワシが、なんとか真っ当な人生を送られたのは野球をやってきたからや。これは間違いない。野球を通じて、いろんな人に出会い、いろんなことを学ばせてもらった。

 しかも、補欠の補欠でしかない選手のくせに、19年もプロで飯を食わせてもろた。その昔、衣笠祥雄さんに言われたことがある。

「川藤幸三という存在はプロ野球界の七不思議の一つだよ。だって一度もレギュラーになったことがないのに、20年近くベンチで偉そうにしてたんだから」

 七不思議のうち、残りの6つが何か知らんけど、衣笠さんが言うのも当然のことやと思う。19年やって、211本しかヒットを打たなかった選手なんて、ワシ以外にはおらんやろう。