将棋界に君臨する天才・藤井聡太六冠(23)に、異変が起きている。
「2023年にはすべてのタイトルを獲得する八冠に輝いていましたが、24年に叡王、昨年には王座を失いました。さらに、今年始まった2つのタイトル戦、永瀬拓矢九段との王将戦と、増田康宏八段との棋王戦は、ともに苦戦を強いられています」(全国紙文化部記者)
負ければ五冠転落の危機にあった王将戦の第6戦で永瀬九段を破り、対戦成績を3勝3敗のタイに戻したが、3月25、26日に行われる第7戦もカド番で迎えることに変わりはない。
苦戦が続く藤井六冠について、過去に棋聖や王位の獲得経験のある森雞二九段は、こう言う。
「今の状況になって、ようやく普通の将棋界になってきたと思っていますよ。藤井さんがすべてを独占する、というのは、野球で言えば、打者で三冠王、投手で最多勝&最多セーブ王&優勝投手、そして投打のMVPみたいなもの。大谷翔平でも、ありえないでしょう」
これは、ひとえに“藤井包囲網”が構築された結果、とも言える。
「AIの進化によって、藤井さんに勝つための解析、というのも瞬時に出てくるんです。すると、藤井さんに挑戦する棋士は、その情報をインプットしてくる。
それをタイトル戦でぶつけられたら、いくら藤井さんでも、厳しい戦いになりますよ」(前同)
ただ、そんな中でも藤井六冠の強さは健在。森九段が「AI一期生」と称す藤井六冠の強みは、AI研究と終盤力に集約されている。
「藤井さんは対局を見ると、終盤の根気比べの局面でのミスが本当に少ない。AI将棋の時代になって、序盤中盤は解析通りに進むことも少なくない。その点で終盤、力のある藤井さんは逆転勝ちなど、彼らしい勝ち方が多いですよね」(同)