King&Prince・高橋海人(24)とSixTONES・森本慎太郎(25)の『だが、情熱はある』(日本テレビ系)の第1話は、若林(高橋海人)と山里(森本慎太郎)の出会いシーンからスタート。あまりにも気まずい2人の空気が、見ているこちら側にも伝わってきて、居心地が悪くなるほどにリアルだった。2人それぞれの人生を振り返ると、ビックリするぐらいシュールなのだが、「そのマイナス感覚、ちょっと分かる」という共感もあって不思議な親近感を抱いた。
■高橋海人が内包するネガティブな感情が爆発!
高橋が演じる若林を見て、その振り切った役作りにゾクゾクした。極端に人見知りで、超ネガティブ思考になると、こういう表情をするんだろうと妙に納得してしまう。人前に立つなどもってのほか、唯一、女子と交流できるという文化祭の実行委員なんて絶対にやりたくないし自分を面白い人間だなんて思ったことはない、というマイナス方向の感情が強烈に放たれているのだ。
表情は暗く力がないのに、目線だけはものすごく強いのが、少し恐い。そして、ふだんは小さな声でぼそぼそ話すのに、感情が高まるとコップの水があふれたようになる。それは、クラス投票で文化祭の実行委員を決める時に、顕著にあらわれた。
『一番面白いやつ』という根拠のない投票に熱中するクラスメイトたちを、遠めに眺めている若林と春日(戸塚純貴/30)。自分には無縁のことだと冷めた目で見ていたが、若林の名前を書いた生徒がいた。これをきっかけに、若林が面白いか面白くないかで喧嘩が勃発し、クラス全体を巻き込んで大混乱になってしまう。
だけど、若林はそれを他人事のように遠くから見ている。このときの表情は見えないが、大混乱のクラスメイトたちと若林の背後からのカットを交互に見せることで、若林の感情が徐々に蓄積されていることが伝わってくる。そして、感情のコップに水があふれた時、誰よりも高く飛び上がり、声を絞るようにして叫んだ。「俺は全然面白くないから!」と。
吐き出すように言い放ったその表情は、重圧を抱えた苦しみがあった。若林の表情、話し方、立ち姿、そのすべてが、演じる高橋の中にある黒い感情として流れ出して伝わってくる。こんな高橋、見たことがない。だけど、それがうれしくてワクワクしてしまう。