■板野友美は200万円豪邸を自宅兼事務所使いで大節税か 税理士が解説

 会社経営者が自宅を事務所として使用した場合、どれほどの節税が可能なのか。税理士法人アクシア代表で税理士の曽根隆寛氏に解説してもらった。

――板野さんは賃貸の自宅の家賃をプロ野球選手の夫・高橋選手と折半、また「事務所としても使うので節税できる」と明かしています。夫と折半なら月に約100万円が板野さんの負担分だと考えられますが、彼女の場合、どれほどの額を経費計上できるのでしょうか?

「板野さんのケースでまず押さえておきたいのは、税務上、“自宅として使っている部分”と“会社の事務所として使っている部分”は分けて考えるのが基本だという点です。

 よく“家賃の8~9割を経費にできる”といった説明も見られますが、これは一定の条件を満たした役員社宅などを前提にした一般論として紹介されることが多く、今回のような高額物件にそのまま当てはまるとは限りません。特に家賃200万円クラスの物件では、広さや設備、利用実態によって判断が変わる可能性があります。

 役員社宅とは簡単に言えば会社が物件を借り、それを役員に貸す形です。この場合、役員本人が会社に一定額の家賃を支払っていれば、会社負担分について損金算入が認められやすくなるケースがあります。

 実務上は、借り上げ社宅では“家主に払う家賃の半分前後”が一つの目安として説明されることもありますが、実際には住宅の規模や計算方法によって異なります。そのため、“半分なら問題ない”“8割ならそのまま経費にできる”といった形で一律に整理するのは、やや慎重さを欠くかもしれません。

 そのうえで、自宅の一部を現実に打ち合わせや事務作業に使っているのであれば、その部分については事務所使用分として別途按分を検討する余地があります。これは社宅とは別の考え方で、面積や使用実態に応じて家賃の一部を経費化するものです。

 したがって、板野さんのようなケースでは、居住部分は役員社宅の考え方、仕事で使う部分は事務所按分の考え方で整理するのが、税務上は比較的自然だと考えられます。

 もっとも、実際にどこまで自己負担が残るのか、どこまで会社経費として認められるのかは、物件の床面積、契約名義、会社と個人の負担関係、事務所利用の割合などによってかなり変わってきます。

 ですから、夫と折半なので月100万円負担、そのうちかなりの部分がそのまま経費になる、と外部から機械的に言い切るのは難しいでしょう。税務の実務では、仕組みを整えれば節税効果が見込める場合はありますが、私的な居住部分まで広く経費化できるわけではない、という理解が適切だと思われます」(曽根氏、以下同)

――多くの会社経営者がこのような手法を講じているのでしょうか?

「こうした手法自体は、会社経営者の間で特別珍しいものとは言えません。ただし、誰でも同じように使えるというよりは、会社名義の契約、社宅規程、本人負担額、実際の使用実態などが整っていて初めて成り立つものです。

 こうした前提が曖昧な場合には、節税策として認められにくくなる可能性もあります。したがって、板野さんの発言は一般論としては理解できる一方で、実際にどの程度まで経費計上できるのかについては、公表情報だけで断定するのは難しい、というのが税理士としては比較的慎重な見方になるでしょう」

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 テレビで公言しているだけに、板野も専門家にしっかりと相談したうえで、200万円超の豪邸を自宅兼事務所として使っているのだろう。

曽根隆寛(そね・たかひろ)
税理士、行政書士。税理士法人アクシア代表社員。2001年に曽根税理士事務所を開業し、2017年に税理士法人アクシアを設立。中小企業の税務・経営支援に加え、相続・事業承継分野にも幅広く携わる。住宅・金融・企業向けの講演や税務相談の実績も豊富で、FM FUJI「LIFE CROSSING」にレギュラー出演中。

税理士法人アクシア 公式HP:https://www.316459.com/
FM FUJI「LIFE CROSSING」:https://life-crossing.com/