日々、社会問題を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏。今回は、日本の食卓に迫る未曾有の危機について掘り下げます。
総務省が2月に発表した家計調査によれば、消費支出に占める食料費の割合、いわゆる「エンゲル係数」が28.6%に達し、1981年以来44年ぶりとなる過去最高水準を記録しました。輸入コストの増大や円安の影響が家計を直撃し、「他に節約できる場所がもうない」という状況が浮き彫りとなっています。
特に深刻なのが、生鮮魚介類の価格高騰。マグロやサーモン、エビなど人気の魚種の多くは輸入に頼っており、為替相場の変動による影響をダイレクトに受けているのが現状です。さらに、2024年4月から始まったトラックドライバーの残業規制強化、いわゆる「2024年問題」に伴う物流費の上昇が、鮮度が命である生鮮魚の販売価格に重くのしかかっています。
こうした事態を受け、大手流通・スーパーの棚にも劇的な変化が起きてきました。「1パック1000円超え」の刺身盛り合わせは、物価高に苦しむ一般家庭にとって、もはや“高級品”になりつつあります。店舗側も廃棄ロスを防ぐため、高単価な盛り合わせを減らし、安価な「切り落とし」や「冷凍解凍品」に絞る対策を講じています。
ネット上でも、
《スーパーに行くたびに刺身のパックを手に取っては、値段を見て棚に戻すのが習慣になってしまった》
《子供に魚を食べさせたいけど、刺身一切れあたりの単価を計算すると鶏の胸肉を買うほうが現実的》
《エンゲル係数が上がっているのに、食べているものの質は明らかに下がっていると感じる》
といった声が聞かれます。