■超厳しい隆の里か、大らかな若嶋津か
そういうわけで、入門間もないオレは、隆の里関の付け人の一員になった。同期や兄弟子は、若嶋津関に付いていた人間もいる。
どちらの付け人になるか。実はこれが大きな運命の分かれ道で、オレが付いた隆の里関は、メチャクチャ厳しい人だった。「常に神経を研ぎ澄ませ!」「緊張感を持て!」と言われ、大変ではあったけど、今振り返れば、人生の勉強になった。
一方の若嶋津関はとても大らかな方で、真逆だった。
いい意味でズボラというか、ね(笑)。隆の里関は博多帯一つ締めるのでもピシッとしていたけど、若嶋津関はグチャグチャッと巻いていても、平気なタイプ。
オレは現役引退後、二所ノ関一門の大嶽部屋の師匠となったが、2010年の「貴の乱」で貴乃花を応援したため、若嶋津関こと松ヶ根親方(のち二所ノ関親方)とは、相反する関係となってしまった。
心から、ご冥福をお祈りいたします。
貴闘力忠茂(たかとうりき・ただしげ)
1967年9月28日、兵庫県生まれ。二子山部屋(入門時は藤島部屋)入門後、83年に初土俵。最高位は東関脇。2000年に幕尻(前頭14枚目)で初優勝する。02年に引退し、大鵬部屋の部屋付き親方となるが10年に野球賭博関与のため日本相撲協会を解雇される。現在は焼肉店『ドラゴ』を経営。