■50本塁打&200奪三振も夢じゃない
開幕時点でのドジャース先発陣は、2年連続開幕投手の山本由伸(27)、E・シーハン(26)、T・グラスノー(32)、佐々木朗希(24)に、大谷を加えた計5人。
大谷の今季初登板は、開幕5戦目となる3月31日の本拠地、ガーディアンズ戦となることが球団から、すでにアナウンスされている。
「ド軍はプエルトリコ代表でも活躍したE・ディアス(32)をメッツから獲得して、懸案の抑えが固定できたというのが、かなり大きい。
リードした状態で6回を投げきれば、自ずと勝ちパターンに持ち込める。普通に投げれば、15勝近くは勝てるでしょう」(前出の藪恵壹氏)
ちなみに、試合日程に余裕のある4月下旬までは、前述の5人ローテ。以降は負傷者リストから復帰見込みのサイ・ヤング賞投手、B・スネル(33)が合流する。
大リーグ評論家の福島良一氏は、さらに続ける。
「全162試合を仮に先発6人で回すとすれば、1人当たりの登板数は27。この27試合全てで6回以上を投げれば、当然ながら規定投球回にも到達します。
当の大谷自身も、より長いイニングを投げることを望んでいる。2022年以来の投打でのダブル規定到達も彼にとっては、そう難しいことではなさそうです」
そうなると気になるのが、大谷がいまだ手にしていない投手タイトルの行方だ。
昨季のナ・リーグ主要3部門のトップは、最多勝利がF・ペラルタ(29/ブルワーズ→メッツ)の17勝。最優秀防御率が、サイ・ヤング賞にも選出されたP・スキーンズ(23/パイレーツ)の1.97。最多奪三振がL・ウェブ(29/ジャイアンツ)の224奪三振。
22年シーズンの大谷が、それぞれ15勝、防御率2.33、219奪三振であることを考えれば、十分、手は届く数字にも思える。
「現実的にも実現可能だと思います。とりわけ注目は奪三振。50本塁打&200奪三振の同時達成となれば、投打でパワーを証明することにもなりますしね」
こう言う前出の福島氏は期待高まるサイ・ヤング賞についても、「不可能ではない」と、こう見通す。
「規定投球回のクリアは大前提として、さらに防御率1点台、200奪三振、WHIP(与四球と被安打の合計を、全投球回で割った指標)0点台といった、高い水準での好成績がシーズンを通じて要求されます。
山本らも当然ライバルにはなってきますし、ハードルはかなり高いですが、それでも彼ならば……と、期待せずにはいられません」
山本がサイ・ヤング賞を争うライバルになると、どちらを応援すればいいのか。
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藪恵壹(やぶ・けいいち)
三重県南牟婁郡御浜町出身の元プロ野球選手(投手)・コーチ、解説者・評論家・YouTuber。NPBでは1994年から2004年に阪神タイガース、2010年に東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーし、阪神時代の1994年にはセントラル・リーグの新人王を獲得、2003年にはチームのセ・リーグ優勝に貢献した。NPBにおける通算成績は279登板、84勝106敗、防御率3.58。またMLBではオークランド・アスレチックスとサンフランシスコ・ジャイアンツでプレーし、実働2年間で100試合に登板した。
福島良一(ふくしま・よしかず)
スポーツジャーナリスト、メジャーリーグアナリスト。千葉県出身。学習院高等科、中央大学商学部卒業。大学在学中から主としてメジャーリーグの評論・取材を行っている。主な著書に『日本人メジャーリーガー成功の法則 田中将大の挑戦』(双葉社)『もっと知りたい!大谷翔平 SHO-TIME観戦ガイド』(小学館)など。