日本競馬界のレジェンド・武豊が名勝負の舞台裏を明かすコラム。4月5日のGI大阪杯ではメイショウタバルに騎乗予定の、彼のここでしか読めない勝負師の哲学に迫ろう。
(以下の内容は2026年3月30日に寄稿されたものです)
全国各地で桜の開花宣言が発表され始めた3月21日、22日の競馬は、両日ともに、阪神競馬に参戦。750本を超える競馬場の桜も、膨らんだ蕾がピンク色に染まり始め、すぐ、そこまで迫った春の息吹を感じながらのレースになりました。
2日間で挙げた白星は全部で3つ。1つめは、21日8Rダート1800メートル戦で、パートナーは松永幹雄厩舎の4歳牡馬、ドラゴンでした。
スタートから流れに乗ったスムーズな競馬で、最後の直線、坂上で先頭に立つと、そのまま後続を突き放すという強い競馬を見せてくれました。この競馬ができれば、クラスが上がっても楽しみな1頭です。
2勝目は、翌22日の4R芝2400メートルで行われた3歳未勝利。コンビを組んだのは、寺島良厩舎のゴールドアクセスです。
レース前はテンションが高く、前半は落ち着かせることに専念。その甲斐あってか、中盤あたりから落ち着きを取り戻し、自らの走りで初勝利を手にしてくれました。2400メートルの距離も合っていて、これからに期待が持てる勝ち方でした。
そして3勝目は、優勝馬に天皇賞(春)の優先出走権が与えられる芝3000メートルのGII阪神大賞典。
相棒は、菊花賞3着で目黒記念も勝利している、友道康夫厩舎のアドマイヤテラでした。
性格的にはすごく乗りやすい馬で、距離は問題ないし、展開に大きく左右されることもないので、気をつけたのは1枠1番からのスタートです。五分に出られれば、勝機は見えて来るはず――。
レースは、ペースも展開も、ほぼ思い描いていた通りに進み、最後も力強く抜け出し、コースレコードでのV! 完勝と言ってもいい、強い内容のレースでした。