■意外な金脈が埋まっている?
しかし、主人公に恋愛は絡んでこなさそうだし、子育てもすでに卒業している。また、働く前の修行段階なので、キャリアを積むようなお仕事要素も薄い。なにを描くのかと思えば、子育て卒業後のセカンドキャリアによる、迷子になっている女性の再生という、火曜ドラマどころかGP帯連ドラにも目新しいもの。かなり思い切った内容に思えるが、これがハマりそうなのだ。
実は、50代で子育てがほぼ終わって、なにしていいのか迷子になっている人は多い。第二次ベビーブーマーで、人口のボリューム層なので、この世代の共感を呼べれば意外なヒットになる可能性は高い。設定は地味に見えるが、ドラマとして新たな金脈になる可能性は高いのだ。
最近、ドラマ10『テミスの不確かな法廷』などで高い評価を受けている松山はもちろん、永作もシリアスからコミカルまで役の幅が広く、夜ドラ『バニラな毎日』(ともにNHK)では、相手に合わせた力の出し引き具合もうまかった。共演陣も、佐野史郎(71)、ファーストサマーウイカ(35)、杏花(26)、山時聡真(20)と安定していてキャスティングに不安要素はない。
さらに脚本は、24年10月期『マイダイアリー』(テレビ朝日系)で第43回向田邦子賞を満場一致で受賞している兵藤るり氏と、十分な出来栄えが期待できる。編成プロデュースの松本友香氏も「火ドラ新境地のヒロイン」と言っており、ひょっとするとひょっとするかもしれない。新しく、魅力的なドラマの誕生を期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。