日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。今回、戸田氏が注目したのは、TikTokでわかった若者の新たな「価値観」についてです!
TikTokが発表した最新のトレンド予測レポート「TikTok Next 2026」。そこには、Z世代が慣れ親しんできた「映え」の終焉と、新たな価値観が記されていました。かつてのように「いかに美しく見せるか」という指標だけでは、もはやブランドや個人が支持され続けることが難しくなりつつあるようです。
思えば2025年、「ビジュいいじゃん」という言葉が流行語大賞にノミネートされるなど、若者たちの称賛は視覚的な完成度に集まっていました。しかし、その盛り上がりからわずか1年。現在のSNSの空気感は、完璧な容姿への憧れから、人間味のある「真実」の探求へとシフトしています。
過度な加工への拒否反応は、著名人の投稿に対する反応からも見て取れます。昨年10月、元モーニング娘。の矢口真里さんがTikTokに投稿したダンス動画が「別人級」と物議を醸した一件は記憶に新しいところ。「確かにかわいいけど本人に見えない」といった厳しい指摘が相次いだことは、デジタル上の完璧な美しさが必ずしも肯定されない今の空気を象徴しています。
こうした大きな転換点を示すキーワードが、レポートで提示された「Reali-Tea(リアリティ)」という概念です。この言葉は、現実を意味する「Reality」と、本音や隠し事のない真実という意味のスラングである「Tea」を掛け合わせた造語。加工された虚像ではなく、裏表のない真実をそのまま味わい尽くそうとする現代の若者たちの切実なマインドが反映されているのでしょう。