バッグに財布、ストールにスカーフ――街中で見かける「ヒョウ柄」のファッションアイテム。だが、その柄を本物の動物で確認したことはあるだろうか。実は世の中に出回っている『ヒョウ柄』の中には、『ジャガー柄』が混ざっている可能性が高い。あなたは両者を見分けられるだろうか。
上の写真を見比べてほしい。どちらが『ヒョウ』でどちらが『ジャガー』か、自信を持って答えられるだろうか。
「彼らの外見がそっくりな理由は、同じ祖先から分かれて進化した動物だからです。生息地を広げるうちに特性が変わって、別種類となった"親戚"なんです。ちなみに、青と緑しか色を判別できない動物たちにとって、あの斑模様は身を隠すのに最適なんですよ」
そう語るのは『ざんねんないきもの事典』シリーズ(高橋書店)の監修者、今泉忠明氏だ。
正解は左がジャガーで右がヒョウ。見分けるポイントは"模様の形状"にある。
「斑点の1つに注目してください。点の中に2、3個の丸い模様があるのがジャガー、ないのがヒョウなんです。『ジャガー』の文字には濁音の"てんてんがある=模様にも点がある"、と覚えてくださいね」(以下コメントは今泉氏)
この語呂合わせを覚えたら、今すぐ手持ちのヒョウ柄グッズをチェックしてみよう。斑点の中に小さな点があれば、それは『ジャガー柄』だ。
模様の違いは進化の過程による"誤差"に過ぎないが、生態には驚くほどの違いがある。
「主に南米に生息するジャガーの先祖は、体長6~8メートルほどあった大型のナマケモノの祖先を獲物としていた過去があるため、その名残で顎の力はネコ科最大。今でも川に飛び込んでワニを狩るような食のこだわりがあるんです」
ワニを狩る!? ジャガーの強さは桁違いだ。一方のヒョウは顎の力こそジャガーに及ばないものの、その分布の広さはネコ科最大を誇る。
「繁栄の秘密は彼らの生存戦略にあります。木々の間に隠れる能力が高いこと、そして獲物となる動物に好き嫌いがないことが理由として考えられています」