■「フィンガープリンセス」に直面した人の悲鳴

 ネット上では、「フィンガープリンセス」に直面した人たちから悲鳴に近い声が上がっています。

「マニュアルの所在を教えた直後に、その中身を読みもせず『これどうやるんですか』と聞いてくる後輩に絶句した」「検索すれば3秒でわかる単語の意味を会議中に平然と質問され、仕事が中断するのが苦痛」「自分で試行錯誤する過程を完全に飛ばして、最初から100点の正解だけを欲しがる姿勢に戸惑う」といった、具体的な戸惑いの声は枚挙にいとまがありません。一方で、若者側からは「詳しそうな人に聞いたほうが正確で速い」「間違った情報を自分で掴むリスクを避けたい」という、彼らなりのタイムパフォーマンス重視の論理も垣間見えます。

「フィンガープリンセスという言葉が注目されるのは、今の若い世代が『情報が勝手に届く』環境で育ったことが大きいでしょう。スマホを開けば、AIが自分好みの動画やニュースを次々に運んできてくれます。自分から探しに行かなくても欲しいものが手に入る世界では、わざわざ自分で問いを立てて調べるという習慣が、どうしても薄れてしまいがちです。

  そのため、職場で”まずは自分で調べなさい”と突き放しても、彼らにはそれが嫌がらせや、無駄な苦労を強いられているように聞こえてしまう。職場においては、バラバラの情報を組み合わせて自分なりの答えを見つける楽しさや、誰かの受け売りではない『生のデータ』に触れる価値を伝えていく、そんな向き合い方が求められているように思います」(生活情報サイト編集者)

  指一本で世界が動く時代だからこそ、その指を「検索」に向けるか「丸投げ」に向けるかで、ビジネスパーソンとしての価値に大きな差がつくのではないでしょうか。

トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。