日本競馬界のレジェンド・武豊が名勝負の舞台裏を明かすコラム。4月12日のGI桜花賞ではアランカールに騎乗予定の、彼のここでしか読めない勝負師の哲学に迫ろう。

(以下の内容は2026年4月6日に寄稿されたものです)

 3月最終週の3月28日は、公園地区に388本、コース周りに365本、合わせて753本の桜が咲き誇る阪神競馬場での騎乗でした。

 最初の騎乗機会は、今走が7戦目となるレッドレベンディスとのコンビで挑んだ3Rダート1200メートルの3歳未勝利です。

 レース前はかなり入れ込んでいて、やや不安を抱えてのスタートでしたが、道中は中団前めの位置で我慢。直線で他馬を差し切った末脚は、クラスが上がっても期待が持てる走りでした。

 続く5Rは、いいところなく終わりましたが、7Rが2着、9~11Rは3連続の3着。メインのGIII毎日杯は、カフジエメンタールと挑みましたが、最後の最後に切れ負け。あと、もうワンパンチあれば……という惜しい内容でした。

 この日、2個目の勝利を挙げたのは、ギュルヴィと臨んだ最終12Rです。

 ここまで7戦して2勝2着4回。スタートを決め、好位2番手で手応えよく追走し、あっさりと抜け出した脚は、クラスが上がっても十二分に通用するはず。次戦以降も期待していてください。

 翌29日は、満開の桜に、柔らかな光が降り注ぐ中京競馬場に移動。この日、2度目の騎乗機会となった6R4歳以上1勝クラスに出走したメイショウアイルで最初の白星をゲットし、ワクワクしながらメインのGI高松宮記念にジューンブレアと挑みました。

 レースは大外18番枠から、それほど無理をすることなく2番手に進出。レース序盤のポジション取りは、ほぼ思い描いた通りで、このまま行けば勝ち負けできると思いながら騎乗していました。

 しかし、原因は分かりませんが、ジューンブレアの息遣いが、いつものそれではなく、直線に入ったところで後退。ラストの脚も彼女らしさに欠け、いいところのない競馬になってしまいました。ここから、また仕切り直しです。