今度の担任の先生は誰だろう――。新年度が始まる季節、こうしたドキドキ感は、誰もが経験したことがあるはず。だが、今の小中学生に、そんなドキドキ感がなくなりつつあるのだという。

「クラス担任の変わり目は、以前は年に一度の風物詩でしたが、令和の現在では年に7度も変わることもあるんです」(全国紙社会部記者)

 それはいったい、どういうことかなのか。

「複数の教師がクラス担任を受け持つ“チーム担任制”が、全国の公立小中学校を中心に広がり始めているんです。教師の人数、入れ替わりの周期は学校ごとに異なり、愛知県豊明市のある公立中学校では、7人の教師が1クラスを担任しています」(前同)

 このチーム担任制、実は10年ほど前から試験的に始まったのだという。具体的には、どんなものなのか。

「チーム担任制は、教科ごとの授業の分担はもちろん、ホームルーム運営や保護者対応など、担任業務全般をチームで支える点に特徴があります。教師1人当たりの負担を減らし、専門性を発揮しやすい環境を作ることで授業の質向上につながっています」(教育委員会関係者)

 複数の担任教師がいることは、生徒にとってもメリットがある。

「従来のクラス担任制だと、担任教師の色が強く出るため、波長が合わない生徒にとっては耐えるだけの一年になってしまいます。でも複数人でクラスを回せば、一人の教師の色だけに染まることなく、生徒の不満を防ぎやすくなります」(前同)

 さらに、生徒に選択肢を与えることもできるという。

「長所と短所は紙一重です。ある方向から見た短所も、見方によっては長所になる。チーム担任制では、進路相談の際に生徒が先生を選ぶことができます。多角的な視点からの評価によって、生徒が長所を伸ばすきっかけを作っています」(同)

 一人の教師にすべてを負わせない。それが、義務教育の新しいスタイルのようだ。

 神奈川県横浜市では、令和8年度から市内の公立小学校すべてにチーム担任制が導入された。本格運用が進むその背景には、深刻な教師不足があるという。

 公立小学校で23年間務めた元教師で、『ドラゴン桜 わが子の「東大合格力」を引き出す7つの親力』などの著書もある教育評論家の親野智可等氏は、教師の仕事を聖職のひと言で片付けるには、教師は多忙すぎると話す。

「40人からやっと35人学級が実現しましたが、日本は教師1人あたりの生徒が多いんです。ただでさえ教える子供が多いのに、外国語教育やプログラミング教育など、次々に負担が増えていく。その上で生徒指導、保護者対応、事務処理もある。特に、いじめなどの問題対処は、本当に疲弊します」