今年2月から世界的な注目を浴びた市川市動植物園の子猿「パンチくん」。

「パンチくんは、25年7月に生まれた小さなオスです。実の母親が育児放棄をしてしまい、彼が母親代わりにオランウータンのぬいぐるみをぎゅっと抱くけなげな姿が、多くの人の心をつかみました」(夕刊紙デスク)

 市川市動植物園による愛情ある飼育によって、孤独な子猿「パンチくん」は、少しずつたくましく成長している。その一方で、世界的な盛り上がりとなった「パンチくんフィーバー」から2か月――。この熱狂は、これからどうなっていくのだろうか? 【前後編の後編】

 市川市動植物園の安永崇課長はブームのピーク時について、こう振り返る。

「2月から3月の前半にかけては、パンチを応援するもの、いじめ動画からの誤解による園への批判など国内外から非常に多くのお問い合わせをいただきました。電話は4回線あるのですが、受話器を置けばすぐ次の電話が鳴るというような状況が続きました」

 特に苦労したのは、日本語以外の言葉で電話をしてくる人がかなりの数いたことだそうだ。

「国際電話で、例えば“パンチがかわいそうだ”とか“パンチは元気なのか”とか、恐らくそういう意味だと思うのですが、日本語しか使えないことを説明して、受話器を置かせていただいたこともありました。もちろんメールでも受信できないほどの量を頂戴したりしました」

 もちろん入場者数も急増した。

「2026年2月の来園者数は約4万7000人で、前年同月比2倍超。さらに3月14日には年度入園者数が30万人を突破し、1987年の開園以来、過去最高を更新しました」(全国紙記者)

 嬉しい悲鳴とも言えそうだが、騒動が大きくなれば、それに便乗する動きも出る。パンチくんを巡っては、偽アカウントや非公式な寄付の呼びかけも問題になった。市川市は3月16日、「#がんばれパンチ サポーターズガイド」を公表し、専用口座、ふるさと納税、LINEスタンプ、募金箱など公式の支援方法を案内。当該のガイド掲載以外の寄付方法や呼びかけは公式ではなく、パンチ関連商品も掲載のもの以外は公認していないと明記した。

「偽アカウントや非公式な寄付の呼びかけは、パンチに限らず話題への便乗として起きるものだと受け止めています。園としては、飼育員個人が寄付を募ることは一切ないと繰り返し周知してきました。今後もガイドに基づく正しい寄付を呼びかけていきます」(前出の安永氏、以降コメントはすべて安永氏)

 公式導線が整えられたことで寄付は急速に広がり、3月29日時点の公表額は1943万2600円に達した。LINEスタンプも2種類を展開。最初に発表したものは5万ダウンロードを突破したという。