4月10日の「駅弁の日」を記念して、旅情を誘う“鉄道グルメ”を大特集。駅弁に精通した識者たちの声をもとに、全国のうますぎる駅弁を厳選した。【東日本編】

 今、駅弁がアツい。

 かつては列車に揺られながら頬張る旅のお供だったが、その世界が大きく変わりつつある。

「最近は冷凍技術の進化によって、自宅でも“駅の名物”を楽しめるようになりました。ご当地の名物や土地の空気、作り手のこだわりまで詰まった“小さな郷土料理”として、改めて注目が集まっているんです」(旅系WEBサイト編集者)

 まず北の本命は、母恋めし本舗が手がける、北海道室蘭市のJR室蘭本線・母恋駅名物『母恋めし』(税込・1650円)だ。

 これまでに食べた駅弁は2600食以上。『おんな鉄道ひとり旅』(小学館)、『猫に駅弁』(『旅行読売』連載中)などの著書がある漫画家で文筆家のやすこーん氏は、こう太鼓判を押す。

「駅弁のオススメを聞かれると、私は必ず名前を出す一つですね。ホッキの炊き込みご飯が本当にめちゃくちゃおいしくて、もういくらでも食べられてしまう。まさに、ここでしか食べられない味だと思います」

 室蘭名物のホッキを味わえるのはもちろん、最近では漬物まで自家製に切り替え、スモークチーズや燻製卵すらも手作りだという。

「本当に丁寧なお弁当だと思います。食事としておいしいのはもちろんですが、お酒のおつまみにもすごく良くて、私はチーズを夜まで取っておいて、つまみにしたりします」(前同)

 続いて挙げたいのが、福島県・郡山駅で福豆屋が販売する『海苔のりべん』(税込・1300円)だ。郡山市産ブランドコシヒカリ『あさか舞』に、二段重ねの海苔、昆布のつくだ煮やおかか、梅干しを忍ばせた一折。手焼き卵焼きやサケ、きんぴら、煮物といった素朴なおかずが並ぶが、その飾らなさこそが魅力だ。

「製作者のお母さんが昔、作ってくれたお弁当を再現したものなんです。見えない所にもきちんと工夫が凝らされていて、サケや卵焼きもぎっしり詰まり、見た目以上に、しっかりしたボリュームがあります」(同)

 丁寧な仕事で胃袋を掴み、懐かしさと温かみを感じさせる、まさに令和の“おふくろの味”である。