■日本海の景色を眺めながら食べたい『鱈めし』
関東代表として外せないのが、崎陽軒の『横濱中華弁当』(税込・1390円)だ。同社名物のシウマイに加え、海老のチリソース、野菜と黒酢の酢豚、油淋鶏などを詰め込んだ、横浜らしい中華のうま味あふれる一折である。
「崎陽軒というと『シウマイ弁当』が有名ですが、他にもおいしい実力派がそろっています。ぜひ、その多彩なラインナップを試してほしいです」(グルメ誌記者)
前出のやすこーん氏も、業界内での評価の高さをこう明かす。
「崎陽軒さんは関東以外では売らないという方針でやられているので、地方の駅弁屋さんの社長さんなんかが東京に来ると、シウマイ弁当をすごく楽しみにして買われるという話も多い。業界の方から見ても注目されているお弁当なんです」
次に紹介したいのが、ホテルハイマートが手がける、新潟県上越市・直江津駅名物『鱈めし』(税込・1600円)だ。
昆布の炊き込みご飯の上に、棒鱈の甘露煮や塩たらこ、数の子わさび漬けなどを盛り込んだ、ぜいたくな逸品だ。骨まで柔らかく煮た棒鱈に加え、付け合わせが味に変化を添える構成となっている。
「見た目は比較的コンパクトだが、器に深さがある分、食べ応えは十分。身のほぐれる棒鱈や半生感のある鱈子など、鱈づくしの内容で、日本酒にも合う。日本海の景色を眺めながら、クイッとやりたくなるような駅弁ですね」(前同)
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やすこーん
2008年から「乗り鉄」「撮り鉄」「メシ鉄」として、旅して描く(書く)漫画家&文筆家。駅弁、駅そば、お酒、温泉を楽しむ「鉄道ひとり旅」が好きで、食べた駅弁は2600個以上。東京都在住だが、47都道府県に宿泊済。小学館の児童誌でデビュー以来、子どもから大人までファン層は広い。キャラクターデザイン、シナリオ制作、ワークショップ、音楽など多彩に活動。『GOGO♪たまごっち!』の単行本売上は50万部を超える。代表作は『おんな鉄道ひとり旅』全2巻(小学館)、『メシ鉄!!!』全3巻(集英社)ほか。