4月10日の「駅弁の日」を記念して、旅情を誘う“鉄道グルメ”を大特集。駅弁に精通した識者たちの声をもとに、全国のうますぎる駅弁を厳選した。【西日本編】
黒毛和牛を加熱式容器で味わう三重県松阪駅の『松阪でアッツアツ牛めしに出会う!!』(税込・1800円)は、漫画『駅弁ひとり旅』とコラボした異色の人気商品だ。
肉好きの胃袋を掴んで離さない逸品を手がけるのは、明治28年創業の歴史ある駅弁店・あら竹。松阪市の老舗精肉店の肉を使い、うま味の強いロース肉でまろやかさと深みを引き出す。さらにガーリックの風味が加わり、豪快な食べ応えまで演出している。
これまでに食べた駅弁は2600食以上。『おんな鉄道ひとり旅』(小学館)、『猫に駅弁』(『旅行読売』連載中)などの著書がある漫画家で文筆家のやすこーん氏も、こう絶賛する。
「本当に、いいお肉を使ってらっしゃる駅弁です。しかも、ひもを引けば加熱が始まり、湯気とともに肉の香りが立ち上る加熱式。
おいしいお肉が、温めて食べられるわけですから、それは、おいしいに決まっていますよ」(同)
実際、加熱式駅弁は今や一大ジャンル。かつては冬だけの特別仕様という印象もあったが、今では定番の人気者。温かさまで、ごちそうに変える、駅弁進化形の代表格と言えるだろう。
関西の名物として外せないのが、淡路屋の『ひっぱりだこ飯』(税込・1480円)。1998年の明石海峡大橋開通を記念して発売された。
「蓋を開けると、タコのうま煮をはじめ、穴子煮、筍の土佐煮、菜の花、ニンジン、錦糸卵、椎茸が、醤油ご飯の上に彩りよく盛られています」(前出のグルメ誌記者)
味の良さに加え、蛸壺風の陶器のインパクトも抜群だ。東の『峠の釜めし』(税込・1400円/横川駅)と双璧をなす、西の横綱駅弁と言える。
「私も、もう何十回も食べています。味だけじゃなく、器ごと楽しむ駅弁として独特の存在感があります」
やすこーん氏も太鼓判だ。