■見上愛と上坂樹里のかけあいに期待
指摘の通り、なにしろ展開が早すぎる。2週目にして、りん(見上)の父の死、結婚、出産、嫁ぎ先からの逃亡が一気に描かれた。時間を飛ばすのは朝ドラでたまにあるが、本作は時間が過ぎても、状況がなにも変わっていない。りんも直美(上坂)もただ耐えているだけなので、なにをしようとしているのかが見えてこず、思い入れもできない。視聴者から不満の声があがるのも当然だろう。
それでも、第9回(9日)の2人の出会いシーンで、雰囲気はガラッと変わった。ふわふわと話が流れていくだけのそれまでと打って変わり、急にグルーブ感が出てきたのだ。このシーンを見るだけで、生真面目だが、つい思ったことを言ってしまうりん、したたかだが、慈悲深い直美、この対象的な2人の相性が良さそうなのがわかる。
こうなると、早く2人に看護婦養成所に入ってほしいところだが、まだ東京での生活の基盤さえできておらず、それは少し先になりそうだ。しかし、看護師を目指すまではいかなくても、東京編で2人が絡むシーンは見られそうで、物語の行き先がだんだん見えてくるはずだ。
さらに、ヒロインの導き役である貴婦人・大山捨松(多部未華子/37)が本格参戦すれば、りんと直美の夢がよりはっきりしてきて、後悔と絶望続きだった物語の展開も大きく変わるだろう。捨松は第1週の第5回(3日放送)での初登場の時も存在感抜群で、今後のキーマンになることは確実だ。
13日から始まる第3週「春一番のきざし」では、りんは清水卯三郎(坂東彌十郎/69)の店「瑞穂屋」で働けることになり、直美は身分を偽って捨松に近づき、鹿鳴館で働き始める。東京で新しい生活が始まり、2人が顔を合わせる機会が増えることに期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。