■肝臓専門医の間では「ウコンは要注意物質」
その上で、「医薬品とはいえ、ミラグレーンも位置づけはサプリメントに近い」と浅部氏は言う。どちらを摂取しても、酒のプロになれるとは限らないということだ。他にもキャバクラ嬢たちの間では、『酒豪伝説』というウコン系サプリメントが広まっている。
「ウコンの『クルクミン』という成分に抗炎症作用があり、ウコンは、昔から肝臓に対してよく使われています。ただ、肝臓専門医の中でウコンは要注意物質なんです」(前出の浅部氏)
長いこと“二日酔いの救世主”と言われ続けてきたウコンが要注意物質とは……。それはいったい、なぜなのか?
「過去に肝臓学会が薬物性肝障害の原因を調べたところ、ウコン系サプリや生薬を飲んだ人が、かえって肝臓を悪くしたという報告が多数上がりました。肝臓が悪い人には、あまりウコンを飲まないでくださいと注意喚起しています」(前同)
二日酔いは、なかなか一筋縄とはいかないようだ。
だが、そもそも、なぜ二日酔いは起きてしまうのか?
「アルコールは肝臓で“アセトアルデヒド”というものに分解され、最後に“酢酸”に変化します。一番毒性が強いのがアセトアルデヒドで、一番安全なのは酢酸です。お酒に強い人は、アルコールを速やかに酢酸まで分解します。弱い人は、アセトアルデヒドを酢酸にうまく分解できません。アセトアルデヒドが体内に蓄積すると顔が真っ赤になったり、頭痛や吐き気が起きて、いわゆる二日酔いを起こします」(前同)
肝臓の分解能力は遺伝要素が大きい。日本人の約4割が有害物質アセトアルデヒドを分解するALDH2という酵素を持たないか、働きが弱いという。つまり、二日酔い対策のアイテムに安心しきって飲みすぎてしまえば、かえって二日酔いを招くことになるのだ。
「最大の二日酔い対策は酒量を制限することです。惰性で飲まず、酔いを感じたら潔く飲み終えること。水分が不足するとアルコールの分解が鈍くなるので、水分補給も忘れずに」(前同)
前出のキャバクラ嬢は、「売上のためならとにかく酒を飲む」と話した。彼女は、アスガール、ミラグレーン、酒豪伝説を気分によって飲み分けているのだそうだが、
「個人差があるので、適切な酒量を見極めるのは難しい。翌日残ってしまうなら、それはお酒の量が多すぎるということです」(浅部氏)
4月の酒席では、酒量はほどほどに。浮かれず、サプリメントはあくまでお守りだと、“肝”に銘じて飲もう。
浅部伸一(あさべ・しんいち)
肝臓専門医、消化器病専門医。東京大学医学部卒業、東大病院・虎の門病院・国立がんセンター等での勤務後アメリカに留学。帰国後は、自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科の講師・准教授に。その後、製薬会社に転じ、新薬開発等に携わっている。実地医療に従事するとともに、肝臓やお酒に関する記事・書籍等の監修・執筆やがんの予防・最新治療についての講演も行っている。著書に『長生きしたけりゃ肝機能を高めなさい』(アスコム)など。お酒が好きで、日本酒、ワイン、ビールなど幅広く楽しんでいる。