■“フジテレビ問題”の影響を連想する声も
視聴者の声にもあるが、今回の月9『サバ缶』はCGの質にくわえて、カメラワークやカット割の演出が良くも悪くも凝っていて、それで本筋に集中できない人もいるようだ。さらには、《CG処理して良い風景出してるの悲しすぎるだろ そんな予算無いのかよ》などと、予算不足感を想う視聴者も。
制作・放送するフジテレビの懐事情を巡っては、2025年に勃発した諸問題の影響で、ほぼすべての番組の制作費が大きく削減されることになったと言われている。
制作費減は同局の看板枠「月9」も例外ではないとされる。今年1月期には、橋本環奈(27)主演の医療ドラマ『ヤンドク!』の舞台である病院の外観がフジテレビ湾岸スタジオだったこと、手術シーンがアニメーションで済まされていたことから、《予算が足りないのかな》《ロケ費用節約したか?》などと疑う声が多かったが、今回も似た印象を抱いた視聴者がいるということだ。予算がどのくらい削減されているかは不明だが、“フジドラマ=予算不足”という先入観が根付いてしまっているところはあるだろう。
初回からCG感の強い演出にツッコミの声が多数寄せられてしまった『サバ缶』だが、物語の本筋には《宇宙×青春の組み合わせってやっぱりハズレないよね》《もっと固い感じのドラマなのかと思ってたけど、そんなことなく、いい感じに緩くて話に入りやすい》などと好意的が声は多い。
映像も、港町・小浜の風景は、CGうんぬんを抜きに海や空が美しいと好評だ。ただ綺麗なだけではなく、生徒が“原宿でカフェをやりたい”と憧れだけで話す場面、将来的に娘も同じ職場で働く前提で話を進める漁港で働く親――地方特有の閉塞感にも、映像がリアリティを与えているところがある。
文部科学省とのタイアップが行なわれているなど、外部からも期待されている月9ドラマ『サバ缶、宇宙へ行く』のこれからに期待したい。
特撮・ドラマ・映画ライター・トシ
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受け、平成ライダー、そして現在放送中の令和ライダーを筆頭に、特撮作品を愛するように。
特撮出身の俳優を追う過程で一般ドラマや映画の世界にも興味を抱くようになり、旬なドラマ・映画は欠かさずチェック。エキストラとして作品に参加し、阿部サダヲや藤原竜也など一流の俳優陣の生の芝居に衝撃を受けることもしばしば。『サバ缶、宇宙へ行く』の放送前には、原案である著作にも目を通した。