街なかに新社会人があふれる、この季節。初々しい若者たちが最初に戸惑うのが、業界ならではの専門用語だ。
本サイトの読者はすでに、それぞれの職業で経験を積んでいるだろうが、他の業界では、どのような言葉が使われているのかは、あまり分からないはず。そこで今回は、“日本人の9割が知らない”業界用語を大特集。本サイトで得た知識を、周囲の若者にも教えてほしい。
まずは、日常では縁遠いが、知れば映画やドラマの見え方がガラリと変わる、警察の業界用語から。
「テレビドラマの刑事が、拳銃のことをチャカと、よく言うでしょう。実は、あれって間違い。チャカはヤクザの言葉だから、刑事が使うのはおかしいんです。それに身柄のことをガラとも言いません。ガラといえば、ラーメン屋の鶏ガラですよ(笑)」
そう教えてくれたのは、元神奈川県警の刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏だ。では、刑事が使う本物の言葉とは何か。その答えは、最終ページの一覧表でご確認いただきたい。
「ニンベン師のように漢字の部首から来ている用語が多いです。汚職事件はサンズイ、詐欺事件はゴンベン、窃盗事件はカンムリと言います」(前同)
対する、ヤクザの世界にも、独特な言い回しがある。
「ヤクザ映画で飛び交うシマとニワが同じものと思われがちですが、似て非なるもの。博徒の縄張りを指すのがシマで、テキヤのテリトリーがニワなんです」(ヤクザ担当記者)
豆知識として、さらりと若者に教えてあげれば会話も弾むこと請け合いだ。
縄張りや権力闘争があるのはヤクザの世界に限った話ではない。政治の世界も、また同じ。
「政界では派閥の長のことを親父と言うんです。自民党の麻生太郎さんなんか、大親父と呼ばれています。ヤクザ用語に近いと言いますか、政治とヤクザの世界って似ていますから」
こう言うのは、元参議院議員の浜田和幸氏。実際、政治の業界用語には物騒なものが多いという。
「政界では、現金のことを実弾と言います。選挙活動という戦争をするうえで、実弾は多いほうがいいですし、買収工作を実弾を撃つとも言います。また、メディアを活用した選挙活動を空中戦、あいさつ周りで選挙区の市民と関わりを深める活動を地上戦とも表現します」(全国紙政治部記者)
意外なものでは、朝立ちという政治用語があるという。一瞬、下ネタに聞こえるが、
「要は、朝の通勤時間帯に合わせて駅前で街頭演説をすること。女性議員は、駅頭(えきとう)とか言い換えますけどね」(前同)
こうした世界を知る浜田氏は、自身の新人時代について次のように振り返る。
「私が初当選したときは、先輩議員から雑巾がけをたくさん命じられました。下積みの地味な仕事のことですが、そうした積み重ねの中で政治のノウハウを覚えていくんです。小沢一郎さんは新人議員を自宅に住まわせ、丁稚奉公のような形で徹底的に鍛えたと言われています。結局、どんな世界も、“最初は体で覚えろ”ということですね」