■キャラもマンガっぽい『豊臣兄弟!』

 豊臣兄弟とその義兄弟、竹中半兵衛(菅田将暉/33)、蜂須賀(高橋)など、秀吉一派が活躍するヤマ場だらけの回。さらに、浅井(中島)の裏切りに鬼と化す信長、足利義昭(尾上右近/33)と明智光秀(要潤/45)の野心、またも嘘をつく徳川家康(松下洸平/39)など、要素を取り出せば、てんこ盛り状態だった。

 それでも消化不良になることなく楽しめたのは、それぞれのキャラがしっかり立っているからだ。今回は長政の寝返りを実の弟・信勝(中沢元紀/26)の謀反に重ねて描かれていたが、兄弟コンプレックスを抱く信長、さらに権力返り咲きの野心を持つ義昭など、マンガっぽいわかりやすさがあって、これがおもしろさにつながっている。

 そんな少年マンガ的なノリに、X上では《ジャンプ大河な豊臣兄弟、藤吉郎はルフィだなあと思ってたけど、小一郎はウソップ的なポジションなんだな、と思うなど》と、人気コミック『ONE PIECE』(集英社)に登場する海賊で、状況をよく見て器用に立ち回るウソップと、小一郎(仲野)を重ねる声もあった。

 本作は史実を大胆に改変したケレン味たっぷりな“ストーリー”が《ジャンプっぽい》と言われているが、登場する“キャラ”もまた、マンガっぽい。今回の浅井に裏切られた信長(小栗)の鬼気迫る形相は、キャラが立っていてこそのすごみ。それが本作の魅力であり、今までにない戦国大河になっている。

 第14回の平均世帯視聴率が12.2%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と、前回の11.8%とジワリとアップ。次回は、織田・徳川連合軍と浅井・朝倉連合軍が激突する「姉川の戦い」が描かれ、信長の妹・市(宮崎あおい/40)、浅井長政が絡んでくる。さらなる盛り上がりに期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。