日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。今回、戸田氏が注目したのは、TikTokでわかった若者の新たな「価値観」についてです!
「友達レンタル」というサービスをご存じでしょうか。これは特定の役割を担う相手を有償で手配する仕組みで、近年注目を集めてきました。 もともとは、親戚や友人が少ないことで冠婚葬祭の体裁が整わないといった切実な事情を抱える層の「人数合わせ」の受け皿として誕生しました。しかし、最近はSNSの普及や価値観の変容に伴い、そのメニューが多様化の一途を辿っています。
特に注目を集めているのが、代行業者が展開する「リア充アピール」。これは誕生日会で大勢の仲間に囲まれている様子や、リゾート地でグループと楽しげに過ごす風景などをインスタグラムに投稿して「充実した毎日」を演出するための視覚的な素材を作るサービスです。
派遣されるスタッフを複数名手配するケースも珍しくなく、依頼者は希望に合わせて性別や年齢、容姿、さらには服装まで指定することが可能。具体的には「おしゃれで流行に敏感そうな女性」や「清潔感のある爽やかな男性」といった、画面上で“映える”キャストが選ばれるようです。
こうした需要が増えている背景には、インスタグラム上での他者からの評価が個人の価値を左右しかねないSNS利用者特有のプレッシャーがあるようです。自分一人では用意しにくい「華やかな人間関係」をあえて外注することで、投稿の質を高め、周囲からの「いいね!」を獲得したいという心理が見え隠れします。