■母親はPTA役員「木村隆二容疑者」の家庭環境
木村容疑者の人物像を自宅の近隣住民が語る。
「兄と姉がいる3人兄弟の末っ子です。地元の市立小学校と中学校を卒業したあとに、県立高校へと進学した。母親は小学校でPTAの役員を務めるなど、地域活動にも熱心な家庭という印象でしたが、数年前に両親が別居。母が木村容疑者と兄を引き取り、父は姉とともに同じ市内のマンションで暮らしています」
中学校に通っていたときには、校内での“いじめ”が原因で不登校気味にもなっていたという木村容疑者。2年ほど前までは通勤姿を近隣住民にも度々目撃されていたが、ここ最近は働いている様子もなかったという。
木村容疑者が引き起こした、岸田総理を狙った今回の襲撃事件。安倍元総理の命を奪った山上徹也被告による銃撃事件とは、現場の警備体制にも変化があったと語るのは、さる捜査関係者だ。
「安倍元総理が銃撃された奈良県の西大寺駅では、背後スペースの警戒が足りていなかった。後ろから襲撃される可能性も考慮するなら、背後にガードレールがあるなんてもってのほかです。警備の基本は要人の保護ですが、同時に犯人の確保も求められる。
警察官が犯人に向かっていく際に、ガードレールがあると、それがハードルとなり犯人確保にも支障が出ます。今回の現場では、岸田総理の周囲のスペースに障害物がなかったことで、早急に総理を避難させられました」
また、安倍元総理銃撃事件の教訓が、岸田総理のSPの行動にも現れていたという。
「奈良で起きた事件の際は、2発目の銃弾が発射されるまでの3秒間、誰も安倍さんの保護に動いていませんでした。今回は、SPが防弾盾を使って投げ込まれた爆発物をかき出すやいなや、岸田総理を現場から遠ざけた。
和歌山県警も総理の県内入りに際し、警備計画書を作成し警察庁へと提出。事前承認も受けていたそうです」(前同)
事件翌日に行われた大分県にあるJR別府駅前での演説では、警察官による聴衆への手荷物検査が行われるなど、厳重な警備体制が敷かれた。今後も事件を教訓として、要人警護にはさらなる強化が求められるのか。先の捜査関係者が続ける。
「警護を強化しすぎると、聴衆と政治家の間に距離ができてしまう。政治家は選挙中は、有権者に親しみを持ってもらいたい。ですから、過度な警備を嫌がります。選挙演説時に毎回、市民の手荷物検査を行うのは難しいでしょう」