和歌山市にある雑賀崎漁港を岸田文雄総理(65)が訪れたのは、4月15日午前11時17分のことだ。その31分後には、岸田総理、その人が立っていた場所が白煙に包まれる。直後に岸田総理に爆発物を投げ込んだとして兵庫県内に住む木村隆二容疑者(24)が威力業務妨害罪容疑で現行犯逮捕され、周囲は騒然とした空気に覆われた――。
この事件が思い起こさせるのは、安倍晋三元総理大臣(享年67)が奈良市内で凶弾に倒れた、昨年7月8日のことだ。事件直後から銃撃が起きた大和西大寺駅北口には、多くの報道陣が殺到した。
全国紙社会部記者が語る。
「安倍元総理に向けて銃弾を放った山上徹也被告ですが、その母が旧統一教会に5000万円を超す多額の献金をしていたことが、社会的にも注目を集めました。その後の報道で、萩生田光一政調会長(59)や山際大志郎元経済再生相(54)ら、党の幹部が教団と接点を持っていたことが次々と発覚。
細田博之衆院議長(79)が、記者団に対し“党として国政選挙の際に教団票の差配をしたことはない”と発言するなど、自民党は教会との関係を火消しするのに躍起になっていた印象です」
一発の銃弾の行方が国政にまで影響を与えたわけだが、そんな事件を彷彿とさせる悲劇が再び起きたのである。
「和歌山1区で行われる補欠選挙の応援演説へと、市内にある雑賀崎漁港を訪れた岸田総理に向けて金属製の爆発物が投げ込まれたんです。現場にいたSPが爆発物を蹴飛ばし、総理を防弾盾で即座に保護。演説会場を訪れていた漁師さんが、2発目の爆発物を手にした木村隆二容疑者(24)を取り押さえました」(前同)
その後、5〜6名のSPや警察官によって取り押さえられた木村容疑者。押収された荷物からは刃渡り13センチの果物ナイフも見つかったというのだから、現職総理へ向けた殺意があったのは明らかだ。