SNSとは切っても切れない時代となった令和の現代。見知らぬ人とも気軽につながることができるようになり、コミュニティが広がった一方、インターネット上のトラブルが深刻な社会問題となっている。
「文部科学省の2025年1月に発表した『児童生徒の問題行動・不登校等 生徒指導上の諸課題に関する調査』によると、学生などの若年層では、パソコンや携帯電話等を使ったいじめの件数は2万4678件と、過去最多になっています」(全国紙社会部記者)
そんな中、今年4月10日には、こんなニュースが。
「人気グループ『SnowMan』の目黒蓮などを抱えるタレント事務所『STARTO ENTERTAINMENT(スタートエンタテインメント)』のリーガル公式アカウント、公式Xにて“弊社タレントに対する憶測に基づく根拠のない投稿や誹謗中傷がSNS上で多数確認”と発表し、“開示請求”をはじめとする法的措置を取っていると言及しました」(スポーツ紙記者)
このように、あらぬ悪口や誹謗中傷に対する対処として、最近、ニュースでもよく見られるようになった『開示請求』という言葉。この場合の開示請求とは、インターネット上の誹謗中傷投稿者を特定する手続きのこと。個人情報保護法に基づく「保有個人データ開示請求」やプロバイダ責任制限法に基づく「発信者情報開示請求」のことを指す。
つまり、嫌がらせをした相手が誰かを明らかにすることができるという行為なのだが、具体的には、どのような措置なのか、また、その効力は――。
青山東京法律事務所の弁護士・岡本匡司氏に話を聞いてみた(以下、カギカッコ内のコメントは岡本氏)。
SNS運営会社などのサイト管理社に対してIPアドレスを明示させ、携帯キャリアや固定回線業者などを特定し、そこから、問題の投稿をした者の住所や氏名といった個人情報を開示させるといった一連の流れを指します。あくまで発信者を特定する手段なので、該当アカウントや投稿を削除させることとは手続きが異なりますが、特定ができることで再発を抑えることは可能です」
例えば民事の手続きなら、損害賠償請求や「二度と書き込まない、違反したら違約金を払う」といった示談・和解に持ち込むことが可能で、さらに悪質な場合は、特定した情報をもとに名誉毀損罪などで刑事告訴を行うことができるのだという。
ちなみに開示請求は、匿名からの嫌がらせでありがちな“裏アカ”“捨てアカ”相手でも有効とのことだ。
「匿名といっても、実名・顔写真を出していないだけで、アカウントの登録に使った電話番号やメールアドレス、投稿のたびに記録されるIPアドレスはSNS事業者のサーバにありますから、ログイン時のIPアドレスなどを開示請求すれば、そこから特定できます」
ただ、ネットカフェからの書き込みであったり、技術的な問題から最終的に特定できなかったりした場合は開示請求できないこともあるなど、まだまだ課題はあるのだそうだ。