■初回から全開の『田鎖ブラザーズ』
X上では、《田鎖兄弟の父親の朔太郎は、何を運んだんだ?怪しいけど、少なくともヤバいトラブルに巻き込まれて口封じされたか》《あの中華屋のおじさん、良い人すぎていつか殺されるかもしくは真犯人かって疑ってしまう》《あ、何、井川さんも家の前で31年前襲われてるってことなの?》など、早くも考察投稿が寄せられている。
まさに、すきのない出来の初回だった。岡田将生(真)と染谷将太(稔)は期待値が高かったが、それをはるかに超える好演。真の同僚刑事・宮藤詩織(中条あやみ/29)に「兄弟っていうより夫婦みたい」と言われていたが、それ以上の絆を感じさせてくれた。共演の中条、井川、真の上司・小池役の岸谷五朗(61)らも安心して見ていられる。
構成も見事で、物語の本筋である31年前の両親殺害事件の謎解きを軸にしながら、毎回描かれていくであろう単発事件も、「時効」というテーマと、兄弟の過去をうまく絡めていてスリリングだ。さらに、1話完結と思えば2話構成で、殺人の動機を「復讐」だと匂わせるラストの急展開も見事な引きだった。
考察ミステリーは、序盤は説明的な描写が入り、本筋が動き出すのがどうしても中盤以降になるので、盛り上がりが遅くなりがちだ。だが、今回のような身元を偽っていた男性の不可解な死という、単発事件の見事な描き方なら、序盤から盛り上がることは間違いない。それは、TVerのお気に入り登録数の急激な伸びからもわかる。
考察ミステリーの弱点を完全にカバーした『田鎖ブラザーズ』は、名ドラマの予感しかなく、春ドラマの最注目作品となりそうだ。メインの兄弟だけでなく、サブの人物たちにも謎がありそうだが、次回、「犯人だから逃げた」という、過去と現在の事件の真相が、それぞれ明らかになっていくようで、目が離せない。(ドラマライター・ヤマカワ)