■『タツキ先生』モヤモヤの原因は?
子役たちの演技は確かに素晴らしかった。町田(タツキ)は台本を読んだ時の印象について、“これは子供たちが主役の物語だ”と感じ、子役たちがどんなふうに輝くのか楽しみになったとコメントしているが、その期待どおりになっている。また、町田演じるタツキも完全ではなく、子供たちと一緒にもがいている感じがいい。
しかし、見ていてどこかモヤモヤしてしまうのも確か。子供が主役でヒットした24年放送『放課後カルテ』(同局系)のような開放感がないのだ。《不登校の子が身近にいるから不登校の問題ってこんなにスムーズに解決できないよって思っちゃう》という声もあるように、おそらく、『放課後カルテ』で描かれたパターンとは違って、本作は明確な解決法がないことが大きいのかもしれない。
本作で子供たちが抱えている問題は、気の持ちよう、考え方が解決法になる。公式サイトが「多様化していく生き方に希望を見出していく」とうたっているが、それぞれ個別の話になるため、不特定多数に向けたエンタメとして仕立て上げるのは、なかなか難しそうだ。さまざまな気づきを与えてくれる、意欲作ではあるのだが……。
さらに今回の終盤、タツキが病院のHCU(高度治療室)のベッドで眠り続ける息子・蒼空(山岸想/15)を訪ねたとき、現在とは違う黒髪のタツキが、蒼空を「何の解決にもならないだろ!」と怒鳴りつけ、強引に部屋から出そうとする回想シーンが描かれた。これで物語が重い雰囲気になってしまったことも、モヤモヤに影響している。
現在のタツキからは想像できない、モラハラ父親だった過去があったと知ったうえで、本筋の子供との物語を見ると、どうにも落ち着かないのだ。タツキの過去を明かすのは、もう少しあとでもよかったのではないだろうか。とはいえ、物語はまだ始まったばかり。今後の展開に注目したい。(ドラマライター・ヤマカワ)