2023年2月末、数多くの人気番組を手がけてきたテレビプロデューサーがテレビ東京を去った。『家、ついて行ってイイですか?』のプロデューサーを務め、2021年にはYouTubeチャンネル『日経テレ東大学』のプロデューサーとなり、登録者数は100万人を超える人気を得た。売れに売れていた高橋弘樹は、なぜ会社を辞めたのか――。【第1回/全4回】

 テレビ東京の在籍中にYouTubeチャンネル『日経テレ東大学』を担当。テレビマンが作るYouTubeのコンテンツがなぜこの時代にフィットしたのか? 100万人以上の視聴者から支持された秘密とカラクリに迫る。

――高橋さんはテレ東在籍時からテレビからYouTubeへ活躍の場を移された印象ですが、どうして『日経テレ東大学』と『ReHacQ』が多くの視聴者から支持されているんだと思いますか?

 あんまり権力とかに媚びることもなく、かといって批判するわけでもなく、言いにくいことを建設的に問題として直視していきたいという視聴者の思いがあったのではないかと。

 でも、本物の経済に触れられるメディアがそんなになくて。新聞社も、他の動画メディアでも、経済学まで踏み込んで紹介しているものはあまりない。番組MCの成田悠輔さん(38)は学者なので研究者が研究している内容を結構聞くんです。そういった研究などを分かりやすく解説したことがチャンネルの視聴者層に届いた気がします。