日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が、本サイトで現代の時流を徹底解説。いま戸田氏が注目するのは、拡大する「ペットビジネス」についてだ。

 最新の世帯数推計によれば、都市部を中心に単身世帯の割合が4割に迫る勢いとなっており、一人暮らしは社会の標準的な形態になりつつあるようです。未婚率の上昇や少子高齢化が加速する中、日々のパートナーとして、ペットの存在感が増しているのは間違いないでしょう。

 総務省が発表した人口推計では、15歳未満の子どもの数は44年連続で減少し、1366万人と過去最低を更新しました。これに対し、最新の全国犬猫飼育実態調査では犬猫の合計飼育数が約1566万頭に達しており、すでに子どもの数を200万以上も上回っています。この現象に呼応するようにペット関連市場は拡大の一途を辿り、直近では約1.9兆円という巨大な経済圏を形成。現在も市場拡大の傾向が継続しています。

 ペットの飼い主たちの意識も、かつての「飼育」から「共生」へと進化を遂げているようです。たとえば、最近では飼い主と愛犬が共に呼吸を合わせる「ドッグヨガ」が普及。これは犬がヨガをするのではなく、飼い主がとるポーズを愛犬が支えたりするなどして、絆を深める取り組みで、至福のひとときとなっているようです。

 一方で、単身世帯の増加に伴い、利便性と安心を両立させるハイテク機器の導入も加速しています。特にスマート給餌機は、留守中の体調管理を担う必須アイテムになりつつあります。アプリを通じて食事量や水の減り具合をリアルタイムで確認し、外出先からカメラで様子を見守るスタイルは、一人暮らしの飼い主にとって大きな安心材料といえるでしょう。

 さらに、遺伝子レベルでの未病対策も最新のトレンドです。大手企業による「網羅的遺伝子検査サービス」では、犬の進行性網膜萎縮症や猫の肥大型心筋症といったそれぞれの種に特有の遺伝性疾患リスクを早期に判定。生まれ持った体質を知ることができ、将来の病気に備えるための客観的なデータとして飼い主から注目を集めています。