■「使い勝手の悪いメディアとしてテレビのハンデが顕在化してきた18年だった」

――高橋さんは18年間テレビマンとして第一線でテレビ番組制作に携わってきましたが、テレビ東京に入社した2005年から2023年までに、テレビ業界の環境で変化したことはなんだと思いますか?
 
 娯楽が増えましたよね。テレビを見なくなったというより、テレビ好きな人は見てます。視聴者にとって使い勝手の良いメディアに流れていく中で、やや使い勝手の悪いメディアとしてテレビのハンデが顕在化してきた18年だった気がしています。

 僕がテレ東に入社した2005年はちょうどYouTubeができた年なんです。(入社当時は)YouTubeの存在なんて知らなかったに等しい。知っていたとしても、何にも気にしてなかったと思います。当時のYouTubeは“生活の延長線”というようなちょっとした動画をあげたり、SNS感覚に近かった。今は、コンテンツのプラットフォームになった気がします。

 ABEMAが出来たのは2016年で、『家、ついて行ってイイですか?』が放送開始したのが2014年なので、ABEMAは『家、ついて行ってイイですか?』より歴史が浅いですよね。

 Netflixもこんなに流行ったのはコロナ禍直前からだろうし、この5年ぐらいでテレビ業界を取り巻く環境はかなり変わったなという感じがします。

高橋広樹/撮影・ピンズバNEWS編集部

――YouTubeやNetflix、さらにはABEMAといったインターネットでの配信番組が台頭してきた今だからこそ、それでもテレビは面白いと思う理由はなんですか?

 使い勝手の不便さがテレビは相当ダメだと思うんですけど、一方で制作のノウハウと資金力はテレビにはすごいものがあって。さらにコンテンツとしてもテレビの方がクオリティが高いと思う。

 例えば、テレビのバラエティ番組のほうが大勢の人が面白いと思えるコンテンツだと思います。Netflixの撮り方は綺麗だけど、“演出として優れているのか?”って言われると、ドキュメンタリーを見ても、『NHKスペシャル』とか『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)の方がやっぱり人を惹き付ける力が強いな、と。演出の深いところを見ていくと、テレビってのは捨てたもんじゃないなって思います。