■王道の面白さを持つ『GIFT』だが

 指摘の通り、ブルズのマジ派とレク派の試合シーン、輝きを失った“一番星”こと涼(山田)と、星のなり損ねの“褐色矮星”こと圭二郎(本田)の対決シーンは熱かった。演者たちもラグ車を見事に乗りこなしていて、カメラワークも迫力満点。今後は涼と圭二郎のライバル関係、シャークの国見(安田)、谷口聡一(細田佳央太/24)との関係を軸に、ブルズの勝利までの道筋を描く王道展開だろう。

 しかし、どこか物足りなさを感じてしまう。本作のうたい文句は「暗闇を生きてきたすべての人たちへ、神様がくれた“愛”という名のギフトの物語」なので、チームの話を軸に、雑誌記者・霧山人香(有村架純/33)の交通事故に遭った家族の話や、作曲家「天神」のマネージャー・坂本昊(そら、玉森裕太/36)の親子関係など、家族と愛の物語が展開されるはずだ。

 いかにも日曜劇場らしい王道の作り。しかし、逆に言うと先が簡単に読めてしまう、退屈さもはらんでいる。日曜劇場は王道がウケるイメージがあるが、最近は前作『リブート』のような変化球でないと、ヒットしない傾向にある。文句のない出来にもかかわらず、視聴率の数字がついてきていないのは、そんなところに理由があるのかもしれない。要するに『GIFT』は正直すぎるのだ。

 物語はまだ始まったばかりで、王道展開の予想は外れるかもしれない。次回、圭二郎(本田)がブルズに加わり、コーチ・日野(吉瀬)によって、涼(山田)と元ブルズの谷口(細田)、国見(安田)との関係が明かされるという。視聴者が一気に引き込まれるような、劇的な展開に期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。