相撲界の内情や制度、騒動の行方を、元関脇・貴闘力が現場目線で読み解く。経験者だから語れる、大相撲のリアルが詰まったコラム。
約1か月間続いた大相撲春巡業が終わり、4月27日には早くも夏場所の番付が発表された。
先場所優勝を果たした霧島が大関に返り咲いて、大関は3人になり、小結で9勝を挙げた熱海富士が新関脇に昇進。
霧島は、師匠の音羽山親方(元横綱・鶴竜)が勝負審判として巡業に帯同していたこともあって、精力的に稽古をしていた。春場所の好調さは続いているようだ。
とはいえ、巡業の休場者が多すぎるのが大問題だ。足を骨折した大関・安青錦、鼓膜が破けた義ノ富士はしかたないとして、ベテラン・玉鷲、人気の若隆景、暴力事件の当事者・伯乃富士ら14名が休場。
15日からは、横綱・大の里、小兵の元気者・藤ノ川まで休場しちゃったんだから、ファンとしては「高い金を払って、いったい何を観にきたのか!」と文句も言いたくなるよね。
巡業のチケットも、本場所のマス席とほぼ同じくらいの値段だ。1マス4人で4万円は、けっして安いとは言えない。
それで思い出したのだが、明治2年(1869年)から続いている春巡業の「風物詩」靖国神社奉納相撲が来年から有料になるという。もともとは、靖国神社の御霊を慰めるために、時代の流れにとらわれず、国技大相撲の発展に尽くしてきた靖国神社。力士たちや理事長、役員の親方たちは、本堂の参拝を行う。
土俵は外にあるから、土俵を囲んで、見物客たちが弁当を広げる。ちょうど桜の季節と重なるから、力士の家族たちがやってきて、桜の前で記念撮影をしたり、和やかな風景が毎年繰り広げられていた。