■大胆なチャレンジに選手全員でトライ!

 特に2戦目は、相手にボールを保持され、終盤は猛攻を仕掛けられました。日本は瀬古歩夢選手や鈴木淳之介選手らDF陣を次々と投入してイングランドの猛攻を跳ね返したわけですけど、「逆転されてもいいから今、トライするしかない」と、森保監督は大胆さを押し出した。そのチャレンジ精神を選手全員が理解し、必死に敵と向き合っていた。それが映像からもしっかり伝わってきました。

 W杯本番でも日本が先に点を取っていれば、終盤に攻め込まれるシーンがあるでしょう。そういうときに一致団結し、強固な組織を築き上げることは、非常に大切です。森保監督も「ドーハの悲劇」の経験などを通じて、その重要性がよく分かっていると思いますし、本番に向けた、いいレッスンになったと感じます。

 ただ、イングランドもW杯までには修正を図ってくるでしょう。ブラジルやアルゼンチンのような強国は、本番前が悪くても、大会に入れば一気にギアを上げてきます。2022年カタールW杯のアルゼンチンも、初戦でサウジアラビアに黒星発進しながら優勝しました。そういうことも視野に入れつつ、日本はこの2連勝を自信に、いい準備をしていくべきだと思います。

ラモス瑠偉(らもす・るい)
1957年2月9日生まれ。ブラジルのリオ・デ・ジャネイロ出身。77年に来日し、読売サッカークラブ(東京ヴェルディの前身)でプレー。攻撃の核として5度の日本リーグ優勝に貢献し、得点王を2回、アシスト王を3回獲得した。93年にスタートしたJリーグでもヴェルディ川崎の中心選手として活躍。チームを初代王者、さらに連覇に導くとともに、自身は2年連続でベストイレブンに選出されるなど、Jリーグの草創期を支えた。89年に日本に帰化して日本代表でもプレー。司令塔としてアジアカップ初優勝をもたらし、94年W杯予選でもチームをけん引したが、あと一歩というところで本大会の出場権を逃した。98年に現役引退。指導者としては古巣の東京VとFC岐阜で指揮を執り、ビーチサッカー日本代表の監督としてW杯で世界を凌駕する活躍を見せた。国際Aマッチ通算32試合1得点。2018年、日本サッカー殿堂入り。
ラモス瑠偉公式サイト:http://www.ramos.jp/
(本連載取材協力:KAKU SPORTS OFFICE)