■違和感ある日曜劇場要素

 交渉が成立するかと思った矢先、エースがあらわれ「おまえに生き延びる価値はあるのか?」と問う。これに羽場は激怒してしまい、交渉は決裂。次のターゲットとなったのは、投資家の渋谷(池松壮亮/32)で、残り半年という余命宣告を受けており、ジョーカーは治療費800億円を提示して……という展開。

 視聴者のツイッター上の反響は、「チームのキャラが立っていて面白い」「トンデモもここまで突き抜けると快感ですらある」「このドラマなんか乗れないな。描写が浮世離れしすぎてる」「中二病を患ってる学生が作った物語プラスおまけ程度の日曜劇場要素って感じ。ターゲットにしている視聴者層がわからない」などと、賛否が分かれている。

 ぶっとんだ設定ながら、浮かずに溶け込んでいた藤原への称賛の声は多く、妻夫木と配役が逆のほうがしっくりくるという声も。しかし、現実離れした内容に、経済政策で国民を苦しめている政治家や、企業を救うために融資する社長など、日曜劇場らしいネタが合わせられる違和感に、不満の声も少なくない。

 初回のため、それぞれのキャラの背景がまだ説明されておらず、ドラマが盛り上がっていくのはこれから。平均世帯視聴率が10.2%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と、同枠としては寂しい数字のうえ、いきなり酷評が相次ぐという、厳しいスタートとなったが、ベテラン演出家の堤幸彦氏がどう展開させるのか。今後に注目したい。(ドラマライター/ヤマカワ)