■法整備は進むが運用面で課題が 「約7割が活用を怠っている」

「一つは『教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律』(通称:わいせつ教員対策法)で、2021年6月4日に公布、2022年4月1日に施行されました。児童生徒性暴力等で免許が失効・取り上げとなった者(特定免許状失効者等)を国がデータベースで管理し、教育委員会や学校法人が教員を採用する際に、必ず活用することとされています。これにより、過去の加害者が教壇に戻ることを防止します。

 もう一つが、『学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律』(通称:こども性暴力防止法)です。2024年6月26日に公布、今年の12月25日に施行される予定です。イギリスの前歴開示及び前歴者就業制限機構(DBS)の仕組みにならったことから、『日本版DBS』とも呼ばれます。教員に限らず、子供と接する職種を対象に、採用時などに性犯罪歴を確認して不適格者の就業を防ぎます」(内田氏、以下同)

 しかしこれらには課題もあるようで、内田氏は「すでに施行されているわいせつ教員対策法では、データベースの確認が義務づけられているにもかかわらず、文科省の調査では、教育委員会や学校法人等の約7割が活用を怠っていることもわかっています」とも指摘する。

 法整備は進んでいる一方で、「既存制度を確実に運用することが重要」だと今後の課題を挙げた。