第5話まで放送されている、人気俳優の波瑠(34)と麻生久美子(47)がダブル主演する日本テレビ系水曜ドラマ『月夜行路-答えは名作の中に-』(夜10時~)。同作は見逃し配信の数字が好調だ。TVerお気に入り登録者数は過去シーズン分も累計されている『孤独のグルメ season11』(テレビ東京系)を除くと、今期ドラマ1位の69.9万人(10日10時時点)。お気に入り登録者数1位の常連であるTBS系日曜劇場(今期は『GIFT』の66.5万人)を上回っているのだ。
『月夜行路』は、人気ミステリー作家・秋吉理香子氏の同名小説が原作。夫に浮気疑惑があり、家庭に居場所がない主婦・沢辻涼子(麻生)と、文学を愛する、トランスジェンダーの銀座のバーのママの野宮ルナ(波瑠)の2人による文学ロードミステリー。
物語は第5話(5月6日)までが“涼子の大学時代の彼氏や夫の不倫疑惑の真相”がメインの「大阪編」。第6話(13日)からは涼子とルナの過去が明らかとなっていく「東京編」となっている。
第5話は「大阪編」の最終回ということもあり、冒頭に「早くもクライマックス」というナレーションが挿入されたり、これまでの伏線が回収されたりと、物語が大きく進んだ。同話には《すっごく良い回だった。最終回でもおかしくない》《最終回みたいな展開すぎるペースが早い》と、“まるで最終回”という声がSNSに多く寄せられることになった。
そんな今期の人気ドラマ『月夜行路』だが、放送枠である日本テレビの「水曜ドラマ」は以前から視聴率やTVerのお気に入り登録者数でも苦戦が続く“低迷枠”とも言われていた。『月夜行路』は第1話、第3話、第4話の世帯視聴率が5%台だが、これも近年の同枠の厳しい数字を考えるとかなり高い。
なぜ、“低迷枠”で放送されている『月夜行路』は、TVerのお気に入り登録者数も含めて好成績なのか――その理由としては、“考察”の要素も入りつつ、毎回、縦軸の物語がスピード感を持って進んでいくシナリオ構成が大きいのではないかと言われている。
そもそもの前提として、現代はドラマコンテンツが乱立、飽和状態にある。地上波だけでなく、配信ドラマも多い。配信作品も海外ドラマだけでなく、日本制作の連ドラが多く展開されている。その結果、ドラマファンであっても “つまらない作品に時間を使いたくない”という意識が強くなり、作品選びに慎重になっているところがあるとされているのだ。
そのため、かつてと比べて、“1話を見ちゃったし”という消極的な理由で地上波ドラマを見続ける人が減り、第1~2話で魅力を感じなければ、即切りしてしまう視聴者が増えたところはあるだろう。
逆に言えば、作り手側は第1話、遅くても第2話までに視聴者に興味を抱かせる必要があるわけだが――それで言えば、韓国ドラマは初回から“大切な人が死亡する”や“主人公に大惨事が起きる”など衝撃的な出来事が発生し、その後もスピード感のある展開が繰り広げられることが多いことで知られる。
日本の地上波ドラマで言えば、日曜劇場の大ヒット作品で、今年7月期から続編が始まる堺雅人(52)主演の『VIVANT』(23年7月期)も、スピード感のある展開が話題となった。