“ガチ中華”の聖地として知られる東京・池袋。その街に、現在“ガチモンゴル”の波が押し寄せているという。

「4月15日、中国・内モンゴル自治区発の老舗料理店『徳順源』が池袋に日本初上陸しました。1931年創業、6代続く名店で、中国国内では約60店舗を展開する人気ブランドです。看板メニューは、内モンゴルの無形文化遺産にも登録されている羊肉の『花焼売』(3個・税込み820円)。池袋へはひと足先に1921年創業の『老綏元』が進出しており、今後“ガチモンゴル”料理店が増えるかもしれません」(グルメライター)

 約2億円を投じてデザインされたという『徳順源』の内装は豪華絢爛そのものだ。

「馬頭琴やホーミーの生演奏も行なわれるなど、料理だけでなく内モンゴル文化そのものが店内では体験できる。異国文化に溢れたスタイルもウリのひとつです」(前同)

馬頭琴の生演奏 ※撮影/編集部

  一方で“ガチ中華”の激戦区である池袋への出店をモンゴル料理の名店はなぜ、わざわざ選んだのか。モンゴル料理事情に詳しいジャーナリストの中村正人氏は、池袋という街の特性をこう指摘する。

「池袋は、中国各地の本格的な地方料理が集まっているため、日本に住む中華系の人たちにとって、非常に便利で楽しい街なんです。内モンゴル料理だって現在、広がっている“ガチ中華”の一部。『徳順源』の池袋進出も、中国国内で店舗網を広げた飲食ブランドが海外に市場を求める“国外進出”の流れの一つと見ていいでしょう」

  事実、池袋には本場の中国料理店を支える分厚い客層があるという。

「東京都総務局統計部の『外国人人口 令和7年』によれば、2025年1月1日時点で、都内の中国籍人口は28万819人。池袋がある豊島区の中国籍人口は1万6360人で、これは23区で6番目の規模です。また大和不動産鑑定が公表したレポートによれば、25年1月1日時点の豊島区の外国人人口比率は12.3%と、23区平均の6.2%を大きく上回っている。そこに呼応するように、池袋周辺では本場志向の中国料理店や中華食材店が急増しているのです」(前出のグルメライター)