■早すぎる展開と深堀りされない登場人物

 寮生活にまとまりが出てきたかと思ったら、同級生・多江(生田)が家庭の事情でやめると言い出す展開。朝ドラとしては王道の流れだが、まだ同級生の各キャラに思い入れができておらず、いまひとつ響かない。さらに喜代(菊池亜希子/43)、ゆき(中井友望/26)、しのぶ(木越明/26)はいまだにモブ状態なのに、勝手に話が進んでいっている印象だ。

 さらに、視聴者が指摘するように、やたら養成所が休みになる日曜日が描かれることが多く、生徒の実家の様子を描いたり、りん(見上)とシマケン(佐野)の距離を縮めたりしているせいで、学生たちの人となりが描けていない。それができていないうちに、多江の見合い話や、りんの恋愛要素を入れてくるのは明らかに拙速だ。

 これは、ダブルヒロインという設定の無理からきているように思える。序盤から住む場所も立場も違う、りんと直美(上坂)を描かなければならないから、場面はコロコロ変わり、エピソード描写も不十分だった。すでに視聴者は置いてけぼり状態だったが、養成所でキャラが増えたことで、それが加速しているように思える。

 確かに、ダブルヒロインは華やかで人目を引くが、それでドラマ自体が粗い出来になっては意味がない。次週は、りんや直美たちが病院での実習に入り、医者や患者とのエピソードが描かれる。さらにキャラが増えるようだが、丁寧な作りに期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。