貴乃花と養老孟司氏のスペシャル対談を掲載。2人が今、気になっていると語る「AI」の本質に迫る。
――3月、東京工科大学で“AI養老先生”が、客員教授に就任したとのこと。
養老孟司氏(以下=養老) そうなんです。ぼくの、AIが大学に雇ってもらってます(笑)。履歴書を作ったりもしました。
貴乃花 AIと会話されて、何か感じましたか?
養老 作った人に、「何に苦労しましたか」と聞いたら、“間”だと言ってましたね。
貴乃花 会話の息遣いということですか?
養老 そうです。その間の、クセが上手に再現できないと、血が通ってないように相手は感じるそうです。
貴乃花 すごい。じゃあ、近い将来、テレビ番組の出演者がAIなんてことも容易に起きるでしょうね。
養老 ただ、どうやって予想できないことを組み込むかが、AIの課題になってくるでしょうね。だって、予想通りの回答ばかりじゃ、全然、面白くないでしょ。
貴乃花 確かに、そうですね。でも、先生、AIっていったい、なんなんでしょうね。
養老 要は、データをたくさん集めて、人間は大体こうするものだというのを返してくるものですよ。昔は、それを年寄りが教えてくれたんです。年を取ると、経験を積んで、人間はこういうもんだと分かってきます。
それこそ、さっきの弟子を育てる話じゃないですけど、年齢を重ねて覚えたことを、次の世代につなげるわけですが、今後は、それをAIにやらせようとしているわけです。
貴乃花 AIが師匠代わりですか。そのうちAI自身が、自分たちで次の世代を作ろうと思うんじゃ?
養老 その通り。今は人間が、指令を出してやらせているわけだけど、そのうち、誰の指令がなくても、AIがひとりでにやるようになる。