■現代のニーズに合う「年上妻」
池内さんは、こうした男性の意識変化には、日本社会における「家制度の崩壊」と、まん延してきた「頑張っても報われない」空気感が背景にあるという。
「都市部を中心に、今は男性が家を継ぎ、また家族を背負って立つという概念が薄まってきています。そうした家制度の崩壊とともに、男性もプレッシャーから解放されている。一方で経済は冷え込み、今の20代は生まれてからずっと不景気なんですよ」
こうした経済状況がかつてとは異なり、男女ともに働くことを後押ししているという。池内さんが続ける。
「女性は女性で、社会に出て働くことが当たり前になりました。そうなると、男性の中には“自分はそこそこ稼いで、妻とは協力しながら暮らす”のが最適解という人も出てきます」
また、女性の社会進出が進んだことで、性別に関係なく長く働くことができる労働環境整備が様々な職場でなされたことも近年の“年上妻”の増加に関係しているという。
「社会の風潮としては、性別に関係なく誰もが働きやすい労働環境整備が叫ばれています。また、女性にも管理職になってもらう必要があるため大手企業ほどキャリアアップ施策は手厚い。出産はしたいけど仕事はやめたくない女性にとって、年下で家事・育児を一緒にやってくれる男性のほうが“魅力的”なんです。
今の20代の男性にとって家事・育児は当たり前ですし、能力のある女性にはどんどん働いて、バンバン稼いでもらったほうがいい。年上妻は、現代社会のニーズに合っているともいえるでしょう」(前同)
社会状況の変化とともに、家族の在り方にも変化が起きている。
池内ひろ美(いけうちひろみ)
1961年生まれ。家族問題評論家。吉本興業所属。一般社団法人ガールパワー(Girl Power)代表理事。家族メンター協会代表理事。内閣府後援女性活躍推進委員会理事。これまで約4万人のカップルの結婚・離婚相談に乗ってきた。
1996年より「東京家族ラボ」を主宰。『とりあえず結婚するという生き方』『妻の浮気』など著書31作品。
YouTube『池内ひろ美の離婚の学校』:https://www.youtube.com/@rikonnogakko