■神戸地裁では”青年の主張”と一刀両断 訴訟費用も負担させられ……
この主張には無理がある、と語るのは全国紙政治部記者だ。
「候補者に投票するだけの選挙権とは違い、国会議員となり得るかもしれない被選挙権を持つには、社会的経験や分別が求められます。それらの資質を備えずに国民の代表である国会議員を務めることはできません。
昨今では“パパ活”や“不倫”といった不祥事を起こす議員もいますが、木村の主張を額面通りに受け取ると“誰でも選挙に立候補させろ”と言っているのと同じなのです」
本裁判を扱った神戸地方裁判所も同様の意見だったようで、神戸地裁が木村独自の被選挙権に関する解釈に対して下した“判断”は、
「選挙で議員等を選ぶより高い社会的経験に基づく思慮分別が必要となる」
という見解だった。
また、供託金に関する規定は「立候補を無制限に認めた場合に、候補者が濫立することによって、自由かつ公正な選挙の実現の妨げとなる事態を防止するべく供託金の供託を求める」として、木村の主張を一蹴している。
司法の場でも、自身の持論を“青年の主張”として扱われ、訴訟費用を負担するよう命じられた木村隆二容疑者。その後、大阪高裁に控訴し、現在は5月に控訴審判決が予定されている。政治の場への想いをつのらせたあげく、現職総理殺害を企てたのなら身勝手というほかあるまい。