■キャストの見分けがつかないと言う指摘も

 生田や菊池はともかく、原嶋や木越などは失礼ながら役者としての知名度が低く、演技力もまだ発展途上だろう。そうした俳優陣に興味を惹かれない視聴者も多いのかもしれない。しかも、第7週から全員が同じデザインの制服を着るようになり、髪型も似通っているため、

《全員同じ制服になってますます脇役たちの区別がつきにくくなった。りんと直美の髪型だけ変えたのはこのためだったわけだ》 
《なんかちょっと登場人物のキャラが徹底してないというか。女学生の見分けがつかない》
《ナース服は実にかわいいんだが、 誰が誰やら区別つきづらいから担当カラーで分けてくれんかな》
《ヒロイン以外の看護学生  見分けがつくかつかないかで面白さが変わってくる。かつての朝ドラみたいに毎日見なくても深く見てなくても、登場人物がすぐわかる親切さは皆無》

 といった“見分けがつかない”という声も。もちろん、彼女たちは光るものがあるからこそ朝ドラに起用されたのだろうが……。

 思えば、昨年の朝ドラ『あんぱん』(前期)と『ばけばけ』(後期)――直近2作品は主人公以外のキャスト陣が名俳優だらけで、彼らが作品を支え、盛り上げていたところがある。

『あんぱん』は、今田美桜(29)を主演に、国民的キャラクター『アンパンマン』を生んだ漫画家・やなせたかしさんと妻の小松暢(こまつ・のぶ)さん夫妻をモチーフにした作品。今田が暢さんをモデルにしたヒロイン・朝田のぶを、北村匠海(28)がやなせさんをモデルにした柳井嵩を演じた。

 同作は嵩の両親が松嶋菜々子(52)と二宮和也(42)、叔父が竹野内豊(55)、のぶと嵩の人生に大きな影響を与えた役を演じたのが阿部サダヲ(56)や妻夫木聡(45)など、俳優陣が主役級ばかりであることも大きな話題になった。長い独白シーン、演技派同士の重厚な二人芝居がメインの回など、並みの俳優では難しかったであろう回も少なくなかった。

 若手俳優の存在感も大きく、特にのぶ(今田)の妹役の河合優実(25)は、前半では“戦死する青年との悲恋”、後半では“似た境遇の妻夫木演じる男性との大人の恋愛”を熱演し、主人公夫婦を食う勢いだった。

 そして『ばけばけ』は、高石あかり(23)を主演に、日本の民話を『怪談』という文学作品へ昇華し世界に広めた明治の小説家・小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)の妻・小泉セツをモデルにした物語。同作には、主人公・松野トキ(高石)の父親が岡部たかし(53)、母親が池脇千鶴(44)、祖父が小日向文世(72)、トキの幼馴染役が円井わん(28)、地元の秀才役が吉沢亮(32)――コメディ演技も抜群に上手い俳優陣が揃っていて、全員が息ピッタリの、どこまでが台本でどこからがアドリブか分からないような凄い芝居を毎回繰り広げていた。

 さらに言えば、同作は結婚を機に親元を離れるような展開がなかったこと、最終回まで両親が健在だったことから、特に岡部と池脇が歴代の“朝ドラ両親”と比べても最初から最後まで目立っていたところもある。

『風、薫る』で主人公のりんを演じる見上も、直美を演じる上坂も演技力が高くないわけではないが、経験値はまだまだの彼女たち、その演技をずっと見るのも厳しいと感じられる。

 いまだ上がり目が見えてこない感じの『風、薫る』だが、この先には中村倫也(39)や仲間由紀恵(46)といった名俳優も登場することが明らかになっている。反転攻勢はそこからなのだろうか――。

特撮・ドラマ・映画ライター・トシ
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受け、平成ライダー、そして現在放送中の令和ライダーを筆頭に、特撮作品を愛するように。
特撮出身の俳優を追う過程で一般ドラマや映画の世界にも興味を抱くようになり、旬なドラマ・映画は欠かさずチェック。エキストラとして作品に参加し、阿部サダヲ藤原竜也など一流の俳優陣の生の芝居に衝撃を受けることもしばしば。特撮俳優のステップアップの場で知られる朝ドラも見逃さない。