クマの出没が連日伝えられ、死傷者が出る人身被害も多発した昨年の日本列島。環境省は5月12日までに、2025年度の全国のクマ出没件数と捕獲数の速報値を公表した。
「公表値によると、昨年度の全国のクマの出没件数は5万776件。これは、過去最多だった2023年度の2万4348件を実に2倍以上も上回る数値であり、捕獲数も過去最多の1万4720頭にのぼっています。なお、ヒグマなどの生息地である北海道はデータ非公表、クマが生息していないとされる九州・沖縄は集計の対象外ですから、実際にはさらに多いでしょう」(全国紙社会部記者)
昨年盛んに報じられたクマの被害が、数値で如実に示されることとなった今回。また、公表と同時期には、東京都でもクマの出没が報告されている──。
東京都八王子市は12日、元八王子2丁目の雑木林で、4月29日に体長1m超えのツキノワグマが出没していたと自治体の公式LINEなどで通知。多摩地域ではあるものの、都内で住宅や学校も点在するエリアの出没に、SNSでは
《もしかしたら23区にも出没するんじゃない?》
《住宅地の近くでの出没は不安になりますね》
《これからの時期、高尾山とか陣馬山の方へ行く人も多いだろうから、他人事じゃないですね》
などと住民以外からも不安の声が上がっている。
「東京は昨年8月にも、奥多摩町で釣りをしていた50代の男性がクマに襲われ、顔や首にケガを負いました。当時、奥多摩町でクマによるケガ人が出たのは6年ぶりのことで、クマによる被害が地方だけの問題ではないことを示しているでしょう」(前同)
これまで東北地方や北海道が中心だったが、東京も他人事ではなくなったクマ被害。人々の不安も当然だろうが、八王子市はどのような対策を進めていくのだろうか。今回の出没状況も含め、市の獣害対策課担当者に聞いてみた。
まず今回のツキノワグマについては、市民がイノシシの被害を防止するため、有害鳥獣捕獲の許可を持っている友人にイノシシ用の大型ワナとセンサーカメラ設置を依頼したことで発覚。その後、「5月10日にカメラ映像を確認したところ、4月29日の夜8時15分頃、1m超のクマの成獣1頭が映っていました」(担当者)とのことだ。