■31年前の事件の真犯人候補
第1話では、犯人が田鎖家の前で鉢合わせた足利晴子(井川遥/49)を切りつけるシーンが映る。晴子の存在に驚いた犯人は、手にした刃物を振り回すように晴子の左腕を切りつける。今思うと、この仕草が女性のように見えなくもない。犯人が男性なら、晴子の体をもっと深く刺したのではないか?
《31年前の犯人も女かもなあ》
《よく見ると犯人小柄だったもんね》
《女が犯人ならやっぱりふみじゃん》
と、現に視聴者の間でも犯人は女性だと指摘する声が多い。それゆえ、女性で一番怪しい動きを見せるふみに自ずと注目が集まるのだが。ただ、31年前の事件当日、ふみは工場火災に巻き込まれている。車椅子姿が偽装だった可能性もあるが、両親殺害の実行犯としてはやや疑問が残る。
真犯人候補として、怪しい女性が一人いる。いまだドラマ内で姿を現してはいないが、名前だけは度々、画面上に登場している宮藤詩織(中条あやみ/29)の”母親”だ。宮藤は、劇中で何度か母親からの電話を拒否している。第4話では、宮藤が幼い頃に母親から万引きを強要されていたことが明らかになった。宮藤の母親は離婚後に散財するようになり、金に困っていた。現代の闇バイトのように、金に釣られて殺人の実行犯になったと考えても不自然ではない。
宮藤は真(岡田)の同僚として多くのシーンに登場してきたが、まだ見せ場がない。ただ、宮藤を演じる中条あやみはインスタグラムのフォロワー数が238万人。2025年には9社のCMに起用された主演級の女優だ。現状の脇役的立ち位置のまま、物語が終わるとは考えにくい。
《なんでいつも宮藤はお母さんの電話に出ないんだろ?》
視聴者のこうした疑問は、いまだに回収されていない。それは、宮藤の母親が田鎖夫婦を殺した犯人だからではないだろうか。電話を拒否するシーンは、その布石かもしれない。
第4話のラストシーンで、兄弟の実家から古い密造拳銃が見つかった。津田(飯尾)が嗅ぎ回っていたのは、この密造拳銃絡みだと思われる。津田を知らないと嘘をついたふみ(仙道)。津田の容体をやけに気にしていた中華料理店「もっちゃん」の店主、茂木幸輝(山中崇/48)。この2人の様子からも、工場になにかがあることは間違いない。
第5話の予告を見る限り、田鎖兄弟は密造拳銃の真相を追う。父・朔太郎(和田)がただの被害者ではない可能性に躊躇しながらも、2人は事件に立ち向かう。そして、津田が持っていた鍵とは。晴子(井川)のもとに津田に関する新たな情報が舞い込むというが――。
物語は、いよいよ折り返し地点に突入。今後の展開から目が離せない。
ドラマライター・ジュン
幼少期から映画を観ることが好きで、物語そのものの面白さはもちろん、「この作品はどうやって作られているのか」という裏側にも強く惹かれてきた。過去にはドラマや映画のロケーションコーディネーターとして現場に携わり、ロケ地選びや撮影準備などを通して、作品作りのリアルを肌で学んだ。そうした経験を重ねるなかで、俳優の芝居、演出、脚本、美術といったさまざまな要素が積み重なり、ひとつの映像作品として立ち上がっていく瞬間に、ますます心を奪われるように。いまは旬のドラマや映画を欠かさずチェックしつつ、張り巡らされた伏線や演出意図を読み解きながら、物語の核心やその先の展開に思いを巡らせる時間を何より楽しみにしている。