■堤真一はなぜ存在感が薄い?

 人香(有村)と圭二郎(本田)、そして涼(山田)がメインの回だった。そこに昊(玉森)が差し込まれ、伍鉄(堤)はチームのフォーメーションを考えるばかり。以前から堤真一の主人公感は薄かったが、今回はそれが顕著だった。サブ俳優に華があるためなおさらだが、どうにも主人公の存在感が薄く、本筋の求心力が足りない。

 その理由は、伍鉄の「変わり者」というキャラ設定が大きい。他人のフォローはせず、自分は難問を解くことに没頭。本作は「本気で心と身体をぶつけ合う」とうたわれているのに、伍鉄は誰かと交わることがなくても平気なので、そもそもそれぞれと絡むシーンが少ない。そのため、伍鉄は話の中心からハズレてしまう。

 変わり者の男が主人公の日曜劇場といえば、西島秀俊(55)と芦田愛菜(21)がW主演した『さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜』があった。そちらは常に娘・響(芦田)や妻・志帆(石田ゆり子/56)が絡んできて、俊平(西島)は変わり者でも話の中心にはいた。それに比べると本作は、主人公のキャラにプラス、周辺人物の配置もよくない。伍鉄の実の子であることがわかった玉森(昊)が芦田の位置にくれば、変わるかもしれないが……。

 物語が第2章に入る次回は、ブルズのメンバーを前にして、昊の母・広江(山口)が、伍鉄と昊は親子だと暴露。さらに、伍鉄によって闇に落とされたポストドクター・宗像桜(宮崎優/25)が、復讐を企てているようで、伍鉄がフィーチャーされるようだ。堤真一の薄めの主人公感が変わるだろうか?(ドラマライター・ヤマカワ)

ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。